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ルールダービーってどんな試合?

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シャルケとドルトムントの一戦はルールダービー(またはレヴィアダービー)と呼ばれ、ドイツで最も激しい試合の一つとして知られている。1963年のリーグ創設以来、2022/23シーズン前半戦終了時点で、ブンデスリーガでは通算99試合が行われ、ドルトムント37勝、シャルケ32勝、30回の引き分け。その成績は拮抗しており、チームの好不調に関係なく毎回接戦となる。

ダービーの発端は1947年5月18日、当時格下だったドルトムントが地域リーグで圧倒的な強さを誇っていたシャルケに勝ち、リーグ優勝を決めたことだと言われている。この時に初めて両クラブ間に対抗意識が芽生え、現在までに数々のドラマを生み出してきた。1969年にはシーズン前半戦の試合で観衆がピッチに入り込み、ケガ人を出す暴動に発展したことを受け、後半戦の試合では過激なファンを威嚇する目的で近隣の動物園からライオンを連れてきて、キックオフ前にピッチ中央を歩かせたという逸話もあるほどだ。

両クラブ間のいがみ合いはピッチ内にとどまらず、ピッチ外での攻防も恒例となっている。2006年にシャルケファンがドルトムントの本拠地ジグナル・イドゥナ・パークから60メートルのバナーを盗み出すと、その4年後にドルトムントファンがシャルケの本拠地フェルティンズ・アレーナの屋根に黄色と黒の旗を立てて報復。さらに2011年にはシャルケファンがジグナル・イドゥナ・パークにシャルケのチームフラッグを2本立てて応戦するなど、どちらも徹底抗戦の姿勢を貫いている。

- Lars Baron/Bongarts/Getty Images

ドルトムント戦でクラブ史上最も多くのゴール(16ゴール)を奪った元シャルケの故エルンスト・クツォラ、シャルケ戦のクラブ史上最多得点記録(11ゴール)を持つ元ドルトムントの故ローター・エメリッヒは、それぞれ『エルンスト・クツォラ通り』、『ローター・エメリッヒ通り』というように、クラブ施設付近の道にその名が冠されている。香川真司がデビューシーズンのシャルケ戦で2ゴールを挙げて一気にドルトムントサポーターのハートをつかんだように、ダービーで活躍した選手はクラブの“伝説”となる資格を有するのだ。

両クラブの威信を懸けたルールダービーは、毎回新たなドラマを生んでくれる。そんな熱い戦いに、世界中のサッカーファンが大きな関心を寄せている。

- 2010 AFP