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第96回ルールダービー展望

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ヨーロッパでも指折りの熱狂度を誇るドイツ伝統の一戦、ドルトムントとシャルケのルールダービーが近づいてきた。新型コロナウイルス拡大の影響により無観客試合となる大一番を前に、両チームの調子や主軸の状態を確認していく。

ブンデスリーガでの通算対戦成績は今節をホームで迎えるドルトムントの33勝30分け32敗。ただ、2017/18シーズン以降にかぎれば、シャルケが2勝3分け1敗とわずかに勝ち越している。第9節に行われた今季前半戦の直接対決はスコアレスドローだった。

ここ最近のチーム状態を比較すると、ドルトムントの調子がシャルケを大きく上回る。DFB杯でブレーメンに、欧州チャンピオンズリーグ(CL)ではパリ・サンジェルマンに行く手を阻まれたものの、ブンデスリーガではウインターブレイク明けの8試合で7勝1敗、目下4連勝中と絶好調。主将のマルコ・ロイスを故障で欠きながら、ジェイドン・サンチョや今冬の新戦力エアリング・ハーランドらの活躍で2位につけている。

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一方のシャルケは泥沼にハマっている。第18節のボルシアMG戦を最後に、リーグ戦で7試合連続未勝利。CL出場権が得られる4位と勝ち点12差の6位と苦しんでいる。バイエルン・ミュンヘンとライプツィヒにそれぞれ5ゴールを奪われた守備もさることながら、さらに深刻なのがここ7試合でわずか2得点という攻撃だ。ポストに嫌われるなどツキに見放されている部分もあるが、チャンスメイクと決定力のどちらも十分ではない。

シャルケはケガ人の多さにも頭を抱えている状況だ。サリフ・サネ、ベンジャミン・スタンブリ、ダニエル・カリジュリ、スアト・セルダル、オマール・マスカレルと主軸中の主軸が軒並み離脱中。ここにきてセンターバックのオザン・カバクも戦列を離れた。ロイスとトーマス・ディレイニーを除く主力を起用できるドルトムントとは雲泥の差だ。

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ドルトムントはミッドウィークにCLのアウェーゲームを戦った影響が気がかりだが、カップ戦の敗退に伴いブンデスリーガに傾ける情熱はより強まっている。首位バイエルンとの勝ち点4差を広げないためにも、是が非でも3ポイントをつかみにくるだろう。得点源のハーランドやサンチョはもちろん、前節に古巣ボルシアMGから先制点を挙げたトルガン・アザールあたりが守備に難のある宿敵を相手に違いを作りそうだ。

シャルケの拠りどころはダービーの直近8試合で一度しか負けていないという実績だが、前述したとおり、チーム状態があまりにも芳しくない。シャルカーはいかなる時も勝利を求めているが、今回の一戦に関してはドローでも御の字と言えるはずだ。

異例の無観客開催となるルールダービーは、3月14日15時半(日本時間23;30分)キックオフ予定だ。

文=遠藤孝輔