10/11シーズンから2年間シャルケでプレーしたラウール - © Getty Images
10/11シーズンから2年間シャルケでプレーしたラウール - © Getty Images
bundesliga

ブンデスリーガ挑戦記:スペイン編

xwhatsappmailcopy-link

ブンデスリーガの歴史を彩ってきた外国籍プレーヤーの系譜を紐解く当連載。節目の第10回はスペインにスポットライトを当てる。

代表格としてはバイエルンで活躍するティアゴとハビ・マルティネス、シャルケの主将を務めるオマル・マスカレル、マインツの“クロスマシーン”アーロン・マルティン、ケルンの若手CBホルヘ・メレらの名前が挙がる。さらに今年1月からはダニ・オルモとアンヘリーニョ(ともにライプツィヒ)、アルバロ・オドリオソラ(バイエルン)が参戦し、現在は12人のスペイン人がブンデスリーガでプレーしている。

10年前の2009/10シーズンは一人も見当たらなかった。隆盛を極めるきっかけを作ったのはラウール・ゴンサレスだ。2010年夏、シャルケに電撃加入したスペインのレジェンドは、在籍2シーズンで幾度となくワールドクラスの輝きを放ち、シャルカーのみならずドイツ中のファンを魅了した。このスーパースターの活躍によって、スペイン人のブンデスリーガに対する関心が強まったのは確かだろう。

- Getty Images

ラウールが道を切り拓き、それを広げていったのがバイエルンの両雄、ティアゴとハビ・マルティネスだ。ティアゴは現時点でスペイン人最多の148試合、ハビ・マルティネスは同2位の142試合出場を記録している。また、後者と同じ2012年9月にブンデスリーガでデビューしたアルバロ・ドミンゲス(当時ボルシアMG)とホセル(当時ホッフェンハイム)も短くない期間をドイツで過ごしたスペイン人だ。それぞれスペイン人4位の81試合、同5位タイの79試合出場という記録を残している。

- Getty Images

在籍期間こそ短かったが、ダニエル・カルバハル(現レアル・マドリード)もドイツでプレーした。レーバークーゼンで飛躍の足掛かりをつかみ、現在は世界的な右サイドバックとして名を轟かせている。2018年夏にドルトムントに加入し、わずか1シーズンで途中出場選手としての通算ゴール記録を打ち立てたパコ・アルカセル(現ビジャレアル)も強烈なインパクトを残した。もちろん、エレガントなゲームメイクを見せた元バイエルンのシャビ・アロンソに魅了されたファンも多いだろう。

最後に“ラウール以前”に活躍したアルフォンソ・ガルシアとトーマス・クリスティアンセンにも触れておこう。前者はブンデスリーガのピッチに立った初のスペイン人FW(当時ウンターハヒンク)で、バレンシア生まれながら幼少期に移り住んだドイツでキャリアを築いた。デンマーク生まれの後者はバルセロナBに所属した1993年に母の祖国であるスペインのA代表で初キャップを刻んだ経歴の持ち主だ。代表デビュー後はなかなか日の目を見なかったが、2001年夏に加入したボーフムで覚醒。2002/03シーズンには21ゴールを記録し、ブンデスリーガ得点王に輝いている。

文=遠藤孝輔