ハンブルガーSVの伊藤達哉 - © Dean Mouhtaropoulos/Bongarts/Getty Images
ハンブルガーSVの伊藤達哉 - © Dean Mouhtaropoulos/Bongarts/Getty Images
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ハンブルク伊藤の初インタビュー後編「東京オリンピックの舞台に」

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ハンブルガーSVの伊藤達哉は今シーズン、第5節でトップチームのベンチ入りをすると、翌節のレーバークーゼン戦でブンデスリーガデビューを果たし、第7節のブレーメンとの北部ダービーでは先発デビューを飾った。その後もコンスタントに出場を重ね、12月にはクラブとプロ契約を締結。巧みなドリブルでサイドを切り崩し、ホームの観客を沸かせる20歳の同選手に当サイトが初のインタビューを行った。その後編をお届けする。

前編はこちらから

ーーハンブルクのキャプテンを務める酒井高徳選手は前回のインタビューで伊藤選手のことを高く評価していました。酒井選手からはどのようなことを学んでいますか?

伊藤 酒井高徳君からは毎日ピッチ内でもピッチ外でも多くのことを学んでいます。人格者だし、人がやらないようなことも率先してやってくれるので、その背中を見て「こういうことは本当は僕がやならなきゃいけないんだな」とか、「こういう風に練習に向けて準備しているんだな」「こういう風にリカバリーしているんだな」と、基本的には見て学ばせてもらっています。

ーーハンブルクに来てからご自身が成長したと思うところは?

伊藤 自分の苦手な競り合いや守備での貢献、きつくても走って戦うというところはチームで毎日、学んでいると思います。その中でいかに自分の強さを出していけるかが今後の課題です。

ーーハンブルクは残留争いをしていますが、この状況をどう見ていますか? また残留するために必要なことは?

伊藤 僕はチームの中で若い方なので、ベテランの選手やチーム全体に「こうしてほしい」ということはありません。僕は僕ができることを精一杯、ピッチ上で表現する。理想を言ったら、数字で結果を残すことがチームの残留を助けることになると思うので、僕のできることをチームのためにやるという感じです。

- Stuart Franklin/Bongarts/Getty Images

ーーハンブルクは1月下旬に監督が交代しました。ベアント・ホラーバッハ新監督はどのような監督ですか?

伊藤 新監督は多くの選手とコミュニケーションを取り、僕にも積極的に話しかけてくれます。監督はチームの規律や、チームのみんなで何かをすることを重要視しているので、 チームは自分のことだけでなく、周りのことを意識してまとまっているように感じます。それが試合でまだ勝利という結果では表れてはいませんが、これからチームは良くなっていくんじゃないかなと思います。

ーー18歳のヤンフィーテ・アルプ選手と伊藤選手はハンブルクの若手コンビとして注目されています。アルプ選手との仲は良いですか?

伊藤 メンバーの中では歳が近く、前泊のホテルもいつも同じ部屋なので、前よりはよく話すようになりました。仲は良いですよ。もちろん、彼はすごくポテンシャルのある選手だと自分も思っています。

- Martin Rose/Bongarts/Getty Images

W杯ロシア大会「可能性がゼロではない」

ーー東京のご家族と遠く離れた生活は難しくないですか? またドイツでオフの時間はどのように過ごしていますか?

伊藤 家族と遠くに住んでいることは僕にとってはそんなに難しいことではないです。1年に2回、夏と冬に日本に帰ることができるので。ドイツにはサッカーをするために来たので、サッカー以外の時間もできるだけサッカーのために費やしていますが、それでも時間がある時はYouTubeを見たり、プレイステーションをしたり、酒井高徳君と一緒にゲームをしたり、街のカフェに行ったりするのがお気に入りの時間の過ごし方ですね。

ーーサッカー選手として具体的な目標はありますか? 2020年には東京でオリンピックが開催されますし、今年はFIFAワールドカップも控えています。

伊藤 大きい目標、小さい目標はいっぱいあるし、「こういう選手になりたい」というのもあります。ただ今一番はっきりしているのは、東京オリンピックの舞台にはチームを背負って立てるような選手になりたいということです。

ーーワールドカップのロシア大会での日本代表の展望は?

伊藤 日本はもちろん勝ち進んでほしいと思っていますし、僕も可能性がゼロではない限り、そのピッチに立ちたいという思いはあります。なんと言ったらいいか分からないですが、日本なら勝ち上がれると信じています。

ーー今大会で優勝するのはどこの国だと思いますか?

伊藤 僕の予想は......手堅いのはドイツ、それからブラジル、フランス、スペインあたりがどれくらい来れるかなという感じですね。

Interview by Ingo Rohrbach & Mayumi Iwashita