2015/16シーズンのブンデスリーガも第17節が終わり、前半戦の全日程が終了した。今回はアイントラハト・フランクフルトに所属する長谷部誠の前半戦の働きを振り返る。

2つのポジション

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累積警告で出場停止だった第22節を除き、33試合で先発出場を果たした昨シーズンとの大きな違いは、やはりポジションだろう。トーマス・シャーフ監督から、2009/10シーズンにウォルフスブルクでともに戦ったアーミン・フェー監督へと指揮官が変わった今季は、最も得意とするボランチだけではなく、右SBを本職とするティモシー・チャンドラーを追いやり、同ポジションで出場することも多い。そもそもは、同選手がシーズン開幕前に負傷していたため「監督とは話をしていて『チャンドラーが戻ってくるまで』と言ってますけど」という期間限定でのコンバートであったが、「そこで自分が良いプレーをしたら、まあ監督は使いたいだろうし」と本人も半ば予想していたように、その後も右SBでたびたび起用されている。

「どこで出ても良いパフォーマンスで」

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ボランチとSBという、一見どちらも同じ守備的なポジションではあるが、求められるプレーはがらりと変わる。特にフランクフルトでは両SBが高い位置まで上がることを求められ、積極的に攻撃参加しなければならない。戦術理解度が高い長谷部だからこそソツなくこなしているように見えるが、本人は「どうですかねぇ・・・。でもサイドと中盤ではやっぱりやることも全然違うし、別物だと思いますね。攻撃の部分でやれるというのは楽しい部分でもありますけど、それでも中盤とSBは違うなと思いますね」と、とまどいを感じることもあるようだ。しかし、その一方で「いろんなポジションをやるという部分に関しては、自分はポジティブに捉えています。すごく良いことだと思うし、監督にそういう部分で信頼されてるっていうかね。やっぱり(バイエルン・ミュンヘンのフィリップ・)ラームとかは中盤でもDFでもどこで出ても常に高いパフォーマンスだし、そういう選手は良い選手だと思うし。自分もどこで出てもやはり良いパフォーマンスができるようにやっていきたいですけどね」と、1試合のうちの前後半でポジションが変更されることすらある現状を、あくまで前向きに考えている。

ベテラン長谷部の存在感

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エースFWアレクサンダー・マイヤーに次いで2番目の年長者であり、常にチームのことを第一に考える長谷部に対しては、在籍2シーズン目とは思えないほど周囲の信頼も厚い。それはフェー監督も同じで、「もちろんすべての選手に対してこのようなことをするわけではないが、誠は完璧なプロ選手だからね」と、シーズン中である10月中旬にもかかわらず、異例ともいえる数日間のオフをプレゼントしたほどだ。しかし皮肉にも、フランクフルトはその間にメンヘングラートバッハ(ボルシアMG)戦で1-5という今シーズン最多得点差の敗戦を喫し、キャプテンシーと攻守のバランス取りに長けた長谷部の不在が響く結果となっている。

ここまで4勝しか挙げられていないフランクフルトは、このままのペースでは残留争いに巻き込まれてしまう可能性も十分にある。後半戦で巻き返しを図るため、ブンデスリーガ在籍9シーズン目のベテラン長谷部が担う役割は決して少なくない。

2015/16シーズン前半戦総括一覧