4年半ぶりに“デア・クラシカー”に臨むハインケス監督
10月6日にバイエルン・ミュンヘンがユップ・ハインケス監督の就任を発表した時、ドルトムントの関係者の脳裏には苦い記憶がよみがえったことだろう。52カ月前、ドルトムントを奈落の底に突き落とした指揮官が、同じ目的を胸にピッチサイドに戻ってきた。
似たシチュエーションでの復帰
思えば、ハインケス監督が“3度目”の就任を決意した2011年夏も、状況は今回と似ていた。前回はバイエルンがユルゲン・クロップ監督率いるドルトムントにブンデスリーガのタイトルを奪われた直後。そして、今回はペーター・ボス監督率いるドルトムントに勝ち点「5」差をつけられたタイミングだった。つまり、ハインケス監督はバイエルンの存在を脅かすライバルが現れるたびに、自ら戦いの場に足を踏み入れているのである。
今季のバイエルンは開幕から安定せず、リーグ6連覇へ暗雲が漂っていたが、それも5週間前までのこと。ハインケス監督は瞬く間にチームを立て直し、公式戦で6連勝を達成した。欧州チャンピオンズリーグ(CL)でセルティックに連勝し、ドイツサッカー連盟カップ(DFB杯)ではライプツィヒをPK戦の末に下して3回戦に進出。ブンデスリーガではフライブルク、ハンブルカーSV、ライプツィヒに3連勝を飾り、今季初めて首位に立った。