今季のブンデスリーガには、あのロベルト・レバンドフスキ(バイエルン・ミュンヘン)を上回るペースでゴールネットを揺らしている若者がいる。ルカ・ヨヴィッチ、20歳。アイントラハト・フランクフルトの躍進を支えるセルビア出身のストライカーだ。

フランクフルト加入1年目の昨季から才能の片鱗は見せていたが、ヨヴィッチが最初に大きな脚光を浴びたのは今年10月だった。ブンデスリーガ第8節のフォルトゥナ・デュッセルドルフ戦で驚異の“フュンファーパック”(1試合5得点)を記録。リーグ史を紐解いても達成者はわずか14人という離れ業をやってのけた。

このセンセーショナルな活躍を機に不動のレギュラーに定着すると、以降もコンスタントにゴールを量産。第13節終了時点で合計10ゴールはドルトムントのパコ・アルカセルと並ぶ得点ランキングのトップだ。驚くべきはそのゴールペースで、1得点に要している時間はわずか73分。また、欧州リーグ(EL)でも5試合の出場(先発3試合)で5ゴールを叩き出している。

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これだけゴールを挙げながら点取り屋にありがちなエゴとはほぼ無縁で、チャンスメーカーとしても機能する。旧ユーゴ圏出身の選手らしい足元の技術を生かし、ここまでリーグ5位タイの4アシストをマーク。3トップを組むセバスティアン・アレやアンテ・レビッチと好連係を築き、「使う」のも「使われる」のもうまいストライカーとして総合力の高さを見せている。

最大の長所は威力も精度も抜群の一撃を左右両足から放つシュート技術の高さだろう。とりわけ正確にボールをインパクトする能力は高く、ダイレクトシュートの正確性はレバンドフスキに勝るとも劣らない。ゴール嗅覚に優れ、ペナルティーエリア内に侵入するタイミングや位置取りにも秀でている。

母国の名門レッドスターでクラブの最年少デビュー記録を塗り替え、18歳でポルトガルのベンフィカに移籍。フランクフルトとの契約は今季終了までの期限付きだが、現在の勢いを持続するようならフランクフルトはもちろん、ドイツ中のクラブが放っておかないだろう。

ブンデスリーガでは同じ旧ユーゴ出身のエディン・ジェコ(元ヴォルフスブルク)が若くして得点王に輝いている。ヨヴィッチもまた、これから輝かしいキャリアを築いていくに違いない。

文=遠藤孝輔

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【2018/2019 ヤングスターFILE】

ドディ・ルケバキオ(デュッセルドルフ)