第33節の注目カード(1):ケルン対フランクフルト
6月20日に行われるブンデスリーガ第33節で、長谷部誠と鎌田大地が所属するアイントラハト・フランクフルトはアウェーでケルンと対戦する。この一戦の見どころと予想ラインナップをまとめた。
ケルンは今シーズン、ジェットコースターのように浮き沈みの激しいシーズンを送っている。開幕から11試合で8敗を喫した時点でアヒム・バイアーロルツァー監督を解任。新監督となったマルクス・ギズドルはその後4連勝を含む8勝を挙げ、17位だったケルンを3月には10位まで押し上げた。しかし、リーグ中断を挟んで直近の8試合は3分け5敗。リーグが再開してから1勝も挙げていないのは、ケルンとパーダーボルン、シャルケの3チームだけだ。順位は13位まで下がり、計算上はまだ降格の可能性も残されている。
とはいえ、ケルンは決してゴール欠乏症に陥っているわけではない。ギズドル就任以降の21試合で無得点に終わったのは第14節のウニオン・ベルリン戦のみで、実に18試合連続でゴールを記録。勝利がないここ8試合に限っても、アントニー・モデステとジョン・コルドバの3ゴールずつを含む計11得点を決めている。レーバークーゼンに敗れた前節の試合でも、コルドバやヤン・ティールマンがたびたび好機を作り、CKからDFセバスティアン・ボルナウがヘディングで1点を返した。これでボルナウは今シーズン6点目。今シーズンのケルンは15ゴールをヘディングで決めていて、これはリーグ最多タイの数字だ。チームは不調でも、セットプレーが安定した得点源となっていることはポジティブな要素だろう。
対するフランクフルトも、セットプレーには強みがある。ヘディングから15ゴールを決めているケルンとリーグ最多タイで並んでいるのは、実はフランクフルトだ。セットプレーからのゴール数は1位がフランクフルト(17得点)、2位がケルン(16得点)。センターバックのゴール数1位はフランクフルトのマルティン・ヒンターエッガー(8得点)、2位がケルンのボルナウといった具合で、お互いに得意とするセットプレーの攻防が、この対戦のカギを握ることになりそうだ。
フランクフルトは前節のシャルケ戦で、フィリップ・コスティッチのFKからダヴィド・アブラハムがヘディングで決勝ゴールを決めている。リーグ再開後のフランクフルトは、8試合で7得点のFWアンドレ・シルバ、同じく2ゴール2アシストの鎌田、3アシストのコスティッチが攻撃の中心となっている。ケルン戦では鎌田が累積警告で欠場予定のため、代役となるミヤト・ガチノヴィッチだけでなく、左サイドに陣取るコスティッチからのチャンスメイクがより重要になるはずだ。リーグ5位の11アシストを積み上げてきた左足のキックは、もちろんセットプレーでも相手の脅威になる。
過去のデータを見ると、両チームのブンデスリーガにおける直接対決の成績はほぼ互角。直近10試合では5勝5敗と全くの五分で、通算成績を見ても87試合でケルンの32勝、フランクフルトの30勝と差がない。伝統のあるクラブ同士だけあって、ケルンがブンデスリーガで初めて敗戦を喫した相手がフランクフルトだとか(1963/64シーズン)、フランクフルトが最も点差をつけられた相手がケルンだった(0ー7で敗戦。1983/84シーズン)という記録もある。もっとも、最近の対戦で特筆すべきは、ここ2回の直接対決で計12ゴールが飛び交う乱戦になっていることだろう。両チームとも、得点も失点も多い傾向は今シーズンも続いている。どちらが勝つにしても、エキサイティングな打ち合いが期待できそうだ。
【予想ラインナップ】
ケルン(4ー2ー3ー1)
ホルン;エーシブエ、ボルナウ、チヒョス、カッターバッハ;スキリ、ヘクター;ドレクスラー、ウート、カインツ;コルドバ
フランクフルト(3ー4ー1ー2)
トラップ;アブラハム、長谷部、ヒンターエッガー;ダ・コスタ、コール、ローデ、コスティッチ;ガチノヴィッチ;シルバ、ドスト