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第31節の注目カード(1):ヘルタ・ベルリン対フランクフルト

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6月13日に行われるブンデスリーガ第31節で、長谷部誠と鎌田大地が所属するアイントラハト・フランクフルトはアウェーでヘルタ・ベルリンと対戦する。この一戦の見どころと予想ラインナップをまとめた。

ヘルタ・ベルリンは現在、最も好調なチームの一つだ。リーグが再開した第26節以降に限れば、5試合で3勝1分け1敗。この成績を上回っているのはバイエルン(5勝)とドルトムント(4勝1敗)しかない。順位はリーグ中断前の13位から9位に上がり、残留争いから完全に抜け出した。昨年12月には16位まで順位を落とし、実に3度の監督交代を経験した混乱ぶりを考えれば、リーグ中断期間中に就任したブルーノ・ラッバディア新監督の手腕を褒めるしかない。

攻守にハードワークを求めるラッバディアの戦術によって、際立った存在感を見せているのが中盤の選手たちだ。前節のドルトムント戦で史上最長(統計開始以来)の走行距離14.65キロを記録したヴラジミール・ダリダが中央でプレスの起点となり、両サイドからは22歳のドディ・ルケバキオ、21歳のジャファイロ・ディルロサンという若手アタッカーが相手をかく乱する。ディルロサンが負傷離脱しても、代役には23歳のマクシミリアン・ミッテルシュテット、あるいは21歳のマテウス・クーニャといった生きのいいドリブラーが控えている。特にクーニャは今年1月に加入後、後半戦だけで7試合4得点と優れた決定力を発揮。3バックを採用するフランクフルトにとっては、このサイド攻撃をどう封じるかが戦術的なポイントになるだろう。

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敵地に乗り込むフランクフルトにとって、最大の課題はコンディションにある。リーグ再開後、5月23日の第27節から6月10日のDFBポカール準決勝までに戦った試合は19日間で6試合。過密日程による疲労蓄積に加えて、DFBポカールでバイエルンに敗退したショックも無視はできない。ポカール王者としてヨーロッパリーグに出場する目標を失ったあと、中2日で迎えるヘルタ戦に気持ちを切り替えて臨むのは簡単ではないはずだ。リーグ再開後に4ゴールを挙げている得点源のFWアンドレ・シルバは、先述した19日間の6試合すべてに先発出場とフル稼働が続く。ヘルタ戦ではDFBポカール準決勝で途中出場だった鎌田、バス・ドストといったフレッシュな選手のパフォーマンスに期待が掛かる。

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残り4試合となった現時点の状況はお互いに似通っている。9位ヘルタ、11位フランクフルトはともに2部降格の危機感がなく、ヨーロッパリーグ出場権を得られる6位以内に入る可能性も低い。チーム全体の緊張感が緩みがちな状態で、重要になるのはチームを引き締めるベテランの存在だろう。ヘルタは35歳のキャプテン、ヴェダド・イビシェヴィッチが今シーズンも健在。前半戦はベンチスタートが多かったものの、ラッバディア就任以降は不動の1トップとして復活した。対するフランクフルトは、36歳の長谷部が最終ラインからチームを統率する。外国籍選手として歴代5位タイの出場数を誇る(336試合)イビシェヴィッチと、アジア人選手として最多出場記録を樹立(309試合)した長谷部。ポジション的にもマッチアップする両者の対決は、純粋なプレー以外の面でも注目度が高い。

ちなみに、過去の対戦データはヘルタが圧倒している。ヘルタが1部に復帰した2013/14シーズンから数えると、13回対戦してヘルタの5勝、フランクフルトはわずかに2勝。さらにヘルタに有利なデータとして、指揮官ラッバディアがフランクフルトを大得意としていることも挙げられる。ラッバディアは過去にレーバークーゼン、ハンブルガーSV、シュトゥットガルト、ヴォルフスブルクの監督としてフランクフルトと11回対戦し、戦績は5勝6分けで、負けたことは一度もない。ラッバディアが“無敗記録”を更新できるかどうかも意外な見どころだ。

【予想ラインナップ】
ヘルタ・ベルリン(4ー2ー3ー1)
ヤルステイン;ペカリク、ボヤタ、トルナリガ、プラッテンハルト;シェルブレッド、グルイッチ;ルケバキオ、ダリダ、ミッテルシュテット;イビシェヴィッチ

アイントラハト・フランクフルト(3ー4ー1ー2)
トラップ;アブラハム、長谷部、ヒンターエッガー;トゥーレ、イルザンカー、コール、コスティッチ;鎌田;ドスト、シルバ