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レフティー特集③パトリック・シック

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ブンデスリーガで活躍するレフティーにフォーカスする当連載。第3回はライプツィヒのチェコ代表FWパトリック・シックの特徴や活躍ぶりを紹介する。

今シーズンのブンデスリーガでは左利きのストライカーの活躍が目立っている。冬にドルトムントへ加入したエアリング・ハーランドは衝撃的なスタートを切り、デュッセルドルフのロウヴェン・ヘニングスは得点ランク5位タイの11ゴールを記録。レーバークーゼンではケヴィン・フォラントが得点源となっている。ライプツィヒのシックもその一人だ。

昨夏、ローマからの期限付き移籍でライプツィヒへ加入したシックは、足首のケガが癒えた昨年11月頃から素晴らしいパフォーマンスを披露している。第13節のパーダーボルン戦で見事なターンから初得点を奪うと、ドルトムントやボルシアMGなど上位陣相手にもネットも揺らし、第25節までに計7ゴールをマーク。昨季15得点を挙げたユスフ・ポウルセンを押し退け、レギュラーの座をつかんだ。

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多彩な武器がシックの魅力だ。187センチの長身を生かして空中戦やポストプレーで強さを発揮するだけでなく、軽やかな身のこなしや足下の柔軟性も備える。自慢の左足から放たれるシュートはリーグ屈指の質を誇る一方、右足が苦手ということもなく、第15節のデュッセルドルフ戦ではダイレクトボレーを叩き込んだ。

ローマでは最も得意とするセンターフォワードではなくウイングでのプレーを求められ、持ち味を発揮できずにいた。それが1トップや2トップの一角に固定されたライプツィヒでは、水を得た魚のように躍動している。参戦1年目のブンデスリーガで結果を残しているのは偶然ではないだろう。

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チームのエース、ティモ・ヴェルナーとの相性も抜群だ。ヴェルナーがサイドや中盤まで自由に顔を出す一方で、シックは最前線で身体を張ったり、スペースを作る役割を担っている。互いの個性を消さずに長所を引き出し合っている印象で、このコンビがライプツィヒの新たな強みになった。

新型コロナウイルスの影響で長らく中断しているリーグ戦が再開すれば、2016/17シーズンにサンプドリアで記録した自己最多のシーズン11ゴールを超えることも十分に可能だ。チェコ代表でも主軸を担う24歳のさらなる飛躍に期待したい。

文=遠藤孝輔