- © Cathrin Mueller/Bongarts/Getty Images
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注目選手クローズアップ:ロビン・コッホ

フライブルクが好調だ。第19節終了時点の成績は8勝5分け6敗の8位。現在ブンデスリーガで最長在任期間を誇るクリスティアン・シュトライヒ監督の下、チーム全体にハードワークの精神が浸透している。攻守両面で組織力の高さが際立ち、安定感も抜群。もちろん、選手個々の成長も躍進の要因だ。なかでもロビン・コッホの進化は見逃せない。リベロ、あるいは6番(守備的MF)をこなす守備のオールラウンダーとして台頭し、昨年10月にドイツ代表デビューを飾った23歳の俊英だ。

コッホはいわゆるエリートクラブで英才教育を施されたタレントではない。5歳のときに父のハリー・コッホがプレーしていたカイザースラウテルンでサッカーを始めたが、父親のアイントラハト・トリアーへの移籍に伴い、故郷の名門からアマチュアクラブのSVデアバッハへ移ることになった。

11~13歳のカテゴリーまではデアバッハで研鑽を積むことになったが、この頃から他の選手とは明確に違っていた。チームメートが練習で真っ先にボールを蹴りたがるなか、ロビン少年はひとり入念にストレッチをしていたという。この意識の高さはフットボーラーだった父から学んだ美徳だろう。

デアバッハですくすくと成長し、2009年夏に父と同じくトリアーの下部組織へ移籍。そしてUー19チームでのプレーがトップチームのペーター・ルベック監督の目にとまり、2014年9月にレギオナルリーガ(4部)でシニアデビューを果たすことになった。

コッホの才能にいち早く気づいたルベック監督はこう回想する。「当時のウチにはマッティ・フィードラー(現アーヘン)しか有望なタレントがいなかったから、すぐに気づいたよ。コッホをすぐに昇格させるべきだってね」

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トリアーのトップチームに昇格したコッホは、2015/16シーズンに古巣カイザースラウテルンへ移籍。加入初年度こそセカンドチームだったが、翌2016/17シーズンに念願のプロデビューを果たした。そして2017年夏からはフライブルクで豊かな才能にさらなる磨きをかけている。192センチの長身ながら足元の技術が高く、正確なフィードやカバーリング、一対一の強さも持ち味だ。守備陣を統率するクレバーな頭脳も持ち合わせる。

エリート街道を歩まずに代表選手まで上り詰めたコッホのような選手は、アマチュアクラブの下部組織でサッカーに打ち込む大多数の子供たちにとって、これ以上ない希望の星と言える。もちろん、コッホの“シンデレラストーリー”はまだ始まったばかりだ。フライブルク躍進の立役者が、これからどう成長し、どうキャリアを積み上げていくか注目だ。

文=遠藤孝輔

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