- © imago images/Noah Wedel
- © imago images/Noah Wedel
bundesliga

宮市亮、復活のスピードスター

ザンクト・パウリの宮市亮が好調だ。開幕からブンデスリーガ2部の全8試合にフル出場し、1ゴール2アシストを記録。ケガから完全復活を遂げたスピードスターが最高のスタートを切った。

2度目の大ケガから復帰した昨季は、リーグ戦25試合に出場して5ゴール。完全復活の予兆はあった。そしてオフ期間も着実にトレーニングを積み、万全の状態で新シーズンに臨むことができた。「昨季試合に出続けて、コンディションが良くなって、それで今季を迎えられたので感覚的にすごくいい。いろんな人の支えでこうやって復帰して、ケガなくシーズンを送れている。本当に感謝したいです」

シーズンの開幕から試合に出続けるのはプロになって初めてのこと。目に見える結果もついてきている。第2節のフュルト戦で今季初アシストを記録すると、第7節のオスナブリュック戦では左足で豪快に叩き込んで初得点。第8節のザントハウゼン戦でもスピードを生かしてアシストし、2試合連続でゴールに絡んだ。

- 2019 Getty Images

好調ぶりは結果だけでなく、数字にも表れている。初得点を決めたオスナブリュック戦では、今季の2部最速となる「時速35.17キロ」のスプリントを記録。クラブ公式Twitterや地元紙には「ロケット」に例えられた。本人も「ケガする前よりも絶対に速くなっていると思う。練習ではもっともっとスピードが出ている」と自信に満ちている。

ザントハウゼン戦ではスピードスターとしての特長を印象づけるシーンもあった。後半アディショナルタイムにカウンターチャンスを迎えると、自陣から猛スピードで相手ゴール前まで駆け上がってラストパスを受けた。この決定機は惜しくも得点には結びつかなかったが、疲労が色濃く出る試合終盤にこれだけのスプリントができるのはコンディションがいい証拠だ。

ヨス・ルフカイ監督からの信頼も厚い。指揮官は地元紙『ハンブルガー・モーゲンポスト』に対して「このリーグで、4〜8のアシストとゴールを記録できる選手」と語り、宮市に大きな期待を寄せている。

守備的な起用も信頼の証の一つと言えるだろう。第3節のシュトゥットガルト戦では新境地とも言える右サイドバックを任されて奮闘。本人は「ケガ人がいて、監督からそのポジションでしっかりやってほしいと言われた。初めてだったのでちょっと戸惑いましたが……」と振り返ったが、突然のコンバートに対応した宮市について、ルフカイ監督は「リョウはとてもフレキスブル。彼のスピードがあれば試合中に前線へ行ける場面もある」と評価した。

- imago images / Beautiful Sports

移籍市場ギリギリでスウェーデン代表DFセバスティアン・オールソンが加入したこともあり、直近3試合は本職のウイングで起用されている。だが、試合中に5バックへ移行するとき、指揮官はDFを投入するのではなく宮市のポジションを下げて守備的なタスクを要求するシーンがある。これは宮市の攻守への貢献に対する信頼の表れに違いない。

本人も守備的な役割を前向きに捉えている。「監督は(右サイドバックを)オプションとして捉えていると思います。今もリードしているときに下がり気味でプレーすることがあるし、僕自身もそれを楽しめている。ポジティブに捉えています」

ザンクト・パウリは直近5試合無敗(3勝2分け)。好調なチームの中心には完全復活を果たした宮市亮がいる。「プロになってから、こんな充実したシーズンを送ることはなかなかなかったので、毎試合スタジアムに来るのがすごく楽しみです。この瞬間を楽しみたい」。最高のスタートを切った26歳が、このまま笑顔でシーズンを送れることを期待したい。

文=湊 昂大(Text:Kota Minato)

- 2019 Getty Images