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bundesliga

天国の亡き父へ――アルカセルのゴールパフォーマンス

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祖国のビッグクラブ、バルセロナを離れ、香川真司が所属するドルトムントに昨夏加入したパコ・アルカセル。今季リーグ戦で途中出場から10ゴールを決めるなど、ブンデスリーガ最強ジョーカーとして名を馳せる同選手のプロキャリアは、苦難とともに始まった。(※上部動画は独語、下記本文は日本語訳)

0分00秒~:アルカセルにとって大きな意味を持つ場所を訪問した。そこは、彼の故郷トレント。スペイン東部の小都市で、バレンシアから10kmほど離れており、人口は約8万人だ。この町からの人々は、アルカセルのことを愛している。

0分32秒~:アルカセルの長年の友人、ホルヘ・ミル氏「ここが、アルカセルのサッカー人生が始まった場所です。我々はここでトレーニングをしたり、試合をしていました。今ではこのように、窓もモダンかつ安全になりましたが、昔は鉄格子もなかったので、ガラスはしょっちゅう割られてました(笑)」

0分55秒~:アルカセル「サッカーはいつも、私の人生の一部でした。家に帰った後、サッカーをするためにいつも外へ出掛けていましたし、どんな時もボールと一緒でした」

1分04秒~:ホルヘ・ミル氏は現在44歳。同氏は、アルカセルのことを古くから知っている。ここは、彼の父親やミル氏と同じく、アルカセル自身も通っていた学校だ。

1分19秒~:ミル氏「彼(アルカセル)はいつもサッカーボールを抱えていました。我々の誰もが、彼が将来プロサッカー選手になることを分かっていましたよ」

1分25秒~:そして夢は現実のものに。アルカセルは12歳の時にバレンシアの下部組織に入団。そこで成長を遂げた同選手のトップチームデビュー戦は、ローマとのプレシーズンマッチだった。そして、彼の父も(試合を見るために)スタジアムへやって来た。

1分43秒~:アルカセルの伯父ビセンテ・アルカセル氏は、この日のことを今でも鮮明に覚えている。

1分52秒~:アルカセルの伯父「この写真の男は私の兄弟であり、つまりパコ・アルカセルは私の甥にあたります。彼は44歳の時に亡くなりました。彼の命日は、パコのトップチームデビュー戦、バレンシア対ローマの試合が行われた日でした」

2分04秒~:アルカセルはトップチーム初出場となったこのローマ戦で、いきなり初得点も記録。しかし試合後、スタジアム付近でアルカセルの父親は心筋梗塞により突然倒れ、そのまま息を引き取った。家族全員、そしてミル氏もその場にいた。唯一、息子のパコだけがそこにはいなかった。父親が倒れた時、まだ彼はロッカールームにいた。

2分28秒~:ミル氏「パコがシャワーを浴びてロッカールームから出てきた後、みんなで(トップチーム初出場初得点を成し遂げた)パコを抱きしめるつもりでした。でも、残念ながらそれは叶いませんでした…」

2分39秒~:アルカセルの伯父「彼(パコ)はゴールを決めた後、必ず祈りを捧げています。天国にいる父親のために」

2分47秒~:アルカセルのゴールパフォーマンスの意味は、父への祈りだった。彼はすでにブンデスリーガで計12回、そっと目を閉じている。