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ウリ・ヘーネス会長、バイエルンに別れ

11月15日、バイエルン・ミュンヘンが一つの時代と別れを告げた。49年間、選手、ゼネラルマネージャー、ディレクター、そして会長としてバイエルンを支えたウリ・ヘーネス会長が任期を満了し、退任した。ヘルベルト・ハイナー氏が後任として会長に就任する。

数々の栄光の歴史と記録、世界的なスター選手達ーーそれが、バイエルン・ミュンヘンの今日のイメージだ。このクラブをドイツ・サッカー界の絶対的王者に育て上げ、グローバルなブランド力を確立するまでの道のりを先導したのがウリ・ヘーネスである。

約50年間、バイエルンに人生を捧げたヘーネスとの別れを前に、クラブが彼に贈ったのはホームにドルトムントを迎えた第11節「デア・クラシカー」での大勝だ。

ウリ・ヘーネス「夢のようだよ。チームは最初から最後まで素晴らしいサッカーを見せてくれた。会長退任の餞別として、これ以上のものは望めないだろう」

選手としてのウリ・ヘーネス

ウリ・ヘーネスは1970年7月1日にウルム1846からバイエルン・ミュンヘンへ移籍した。若きストライカーを待ち受けていたのは、ゼップ・マイアーやフランツ・ベッケンバウアー、ゲルト・ミュラーら名だたるスター選手たち。その中でヘーネスは類まれな得点能力を発揮し、特にゲルト・ミュラーとのコンビネーションがぴたりとはまるとゴールを量産した。1971~73年に二人が記録したゴール数は106ゴールに上る。

ヘーネスは選手としてブンデスリーガ通算250試合に出場し、86ゴールを決めたほか、ブンデスリーガで3回、ドイツサッカー連盟カップ(DFB杯)で1回、UEFAチャンピオンズカップでも3回の優勝を経験している。西ドイツ代表としては、1972年のUEFA欧州選手権、および1974年FIFAワールドカップ制覇に貢献した。しかし、その翌年に悲劇が起こった。

ウリ・ヘーネス「パリで迎えた1975年のUEFAチャンピオンズカップの決勝、リーズ・ユナイテッド戦で初めて大きな怪我を負った。半月板を損傷していたよ。それから1979年までは激しい痛みや問題を抱えながらプレーしていた」

1979年、ニュルンベルクに所属してたヘーネスはついに現役引退を決意する。

ウリ・ヘーネス(右)とベルティ・フォクツ(ボルシアMG) - imago/WEREK

最年少ゼネラルマネージャーの挑戦

ヘーネスのサッカーへの情熱は冷めることなく、バイエルン・ミュンヘンでゼネラルマネージャーとしてキャリアを再スタートする。クラブが経営面でも競技面でも多くの問題を抱えていた1979年、27歳のウリ・ヘーネスはドイツ史上最年少でゼネラルマネージャーに就任した。

そして、彼がゼネラルマネージャーとして迎えた初めてのシーズンに、バイエルンはブンデスリーガで優勝を掴み取る。クラブ改革の幕は切って落とされた。ヘーネスは大きなビジョンを持ち、経営再建のため、入場料収入の増加に加えて世界のファンに向けたマーチャンダイジングを推進していく。

ヘーネス「イングランドやアメリカで見て学んだことを応用しようと試みてきたが、それが20~30年後になって功を奏した」

バイエルンは1990年代にブンデスリーガの最多優勝記録を更新し、国内で最も成功したクラブとなる。ヘーネスの強いリーダーシップの下、若い才能や世界的なスター選手を集め、名だたる監督がチームを率いた。多くの選手にとってウリ・ヘーネスは父親のようでもあったようだ。

ゼ・ロベルト「ヘーネス会長は自分にとって重要な人物の一人で、私も彼から多くのことを学んだ。彼は偉大なボスで、皆が彼の不在を惜しむだろうけど、彼は大切な教えを残していくだろう。彼のレガシーは後継者に引き継がれていくはずだ」

ヘーネスは選手の育成にも力を注ぎ、トーマス・ミュラー、フィリップ・ラーム、トニ・クロースやダヴィド・アラバが才能を開花させた。

彼の情熱は時に激しすぎる印象を与えることもあったが、いつでもクラブの利益を最優先していた。2005年にはオリンピアシュタディオンからアリアンツ・アレーナへ、壮大なスタジアム新設計画を成功させる。今やバイエルンの会員数は29万人を超え、サッカークラブの会員数としては世界一を誇っている。

- imago/WEREK

ウリ・ヘーネス会長

2009年には、フランツ・ベッケンバウアーの後継者として会長に就任。選手、ゼネラルマネジャー、そして会長としてバイエルン・ミュンヘンに在籍した期間に掲げたトロフィーの数は59に上る。ブンデスリーガ優勝は23回経験した。

フランツ・ベッケンバウアーは、ヘーネスの会長辞任に寄せてバイエルン・ミュンヘン公式サイトでメッセージを発表している。

「君なしのFCバイエルンは考えられない。それは君もわかっているだろう。君は最初からこの道を行くと定められていた人物だ。そして君は明日突然去ることなどできない、それは許されないことだ。君はこれからも君の経験によって君のクラブを助けるだろう。ウリ・ヘーネスはドイツサッカーとFCバイエルンにとって幸いだ」
出典:fcbayern.com

さようなら、ウリ・ヘーネス。

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