ブンデスリーガ2部今季みどころ

またもや「再出発のシーズン」を迎えるケルン。新監督を迎えての開幕は、なんと4年連続である。ゾルド監督、ソルバッケン監督、スタニスラフスキ監督を経て、今夏はオーストリア人のペーター・シュテーガー監督が、ケルンというクラブをサッカーの成績で上昇気流に乗せるという難題を引き受けた。昨季オーストリア・ウィーンを率いオーストリア1部リーグ優勝を果たしたシュテーガー氏をサポートするのは、このほど新スポーツディレクターに就任したヨルク・シュマートケ氏。アーヘンやハノーファーでその手腕を発揮した。

しかし、シュテーガー(Stoeger)、シュマートケ(Schmadtke)のこれら両氏に加え、シュピナー(Spinner)会長、シューマッハー(Schumacher)副会長、ユース部門のシェーファー(Schaefer)部長。苗字がSの文字で始まることが、このクラブで幹部になる条件なのかと思わせる。上述した過去3シーズンの監督の名前をみても懐疑的になるが、まあ、必ずしも悪い予兆とは限らない。Sの文字には次のような意味もあるのだ。

シュテーガー(Stoeger)監督のS



郷里のオーストリアでは非常に高い評価を得ている、47歳のシュテーガー新監督。現役選手としては、オーストリア代表として65試合、W杯にも1大会出場し、国内ではリーグ優勝3回、カップ戦優勝3回。さらに監督としては、リーグ優勝とカップ戦優勝もそれぞれ2回果たしている。オーストリア・ウィーンを率いて今季は欧州カップ戦に出場できる、という条件を捨て、自身の希望で隣国ドイツのブンデスリーガ2部、ケルンに移籍した。

「FC(エフツェー、ケルンの略称・愛称)は、ドイツのビッグクラブのひとつだと思う。だからこそブンデスリーガ(1部)の定位置を占めるべきだ」と、同監督。「素晴らしいサポーターの支援のおかげで、クラブの持つポテンシャルは計り知れないほど大きいし、自分はそれを最大限に引き出したい」。

システム(System)のS


シュテーガー監督が実戦するのは、前方では1トップに下がり目のFW2人を置く4-3-3のオフェンシブなシステムで、全体的にボールを支配するスタイル。相手チームのほとんどが守備重視で、ケルンがボールを支配する時間が長いと読んでおり、スペースを狭めることはしないという方針だ。

「サイド攻撃や、縦パスを多用する。ボールタッチは少なく。幅を広げたい」と、シュテーガー監督はキッカー誌とのインタビューで明かした。チーム内に改造の必要な箇所があるため、メンバーは固めていないという。

選手(Spieler、シュピーラー)のS


昨夏と同様、チーム内の選手の入れ替えは多い。チームを離れた10人ほどのうち、主力のMFクレメンスはシャルケに移籍。期限付きで在籍していたシュトローブル(ホッフェンハイム)とロイヤー(ハノーファー)には、残ってもらうことはできなかった。いっぽう、昨季マインツからの期限付きでケルンに在籍し、13ゴールを決めたナイジェリア代表FWウジャーは、ケルンの希望がかない、このほど完全移籍が実現した。

「真の」新加入選手では、ケルン生まれの元U20ドイツ代表MFリッセの経歴が光る。23歳という若さにして、これまでレーバークーゼン、ニュルンベルク、マインツでブンデスリーガ延べ79試合に出場。ケルンで攻撃的MFの定位置を獲得するとみられている。ブンデスリーガ2部のほうで延べ70試合という出場回数を誇るのは、デュイスブルクから加入するFWエクスラーガー。「能力がバラエティに富んでおり、スピードがあり、運動量も豊富な攻撃のオールラウンダー」とケルンのヤコプス強化部長も称賛する。イングランド・プレミアリーグのウィガンから獲得されたセンターバック、屈強なスペイン人DFゴロバート(21)や、ブルクハウゼンから加入するMFティール(20)にも注目したい。

シュマートケ(Schmadtke)氏のS


チームにはまだ補強が必要。新設されたポスト、スポーツ担当取締役兼スポーツディレクターに就いたシュマートケ氏が最優先課題として挙げるのが、「ゴールを保証してくれる」FWの獲得だ。同氏の手腕には大きな期待が寄せられている。

アーヘンとハノーファーで、延べ12年という長期にわたりスポーツディレクターとして従事。わずかな予算で最大効果を得るというその仕事ぶりは、各方面から高く評価されている。過去に数々のそれなりに有名なマネジャーが挫折を味わったケルンというクラブだが、シュマートケ氏はここでも能力を発揮してもらいたい。

自信(Selbstbewusstsein、ゼルプストベブストザイン)のS


シュマートケ取締役は自信満々で新境地に臨んでいる。挫折するという不安は全くないときっぱり。「可能性は大きい。伝統を誇るクラブ、熱狂的なサポーターがあり、この町は完全にクラブのためにあるし、スタジアムのインフラは見事」と、楽観的になれる理由を説明する。

「(5位で終わった)昨季よりも上位で終わりたい。といっても4位を意味しているのではない」とシュマートケ氏は目標を強調する。「だが放っておいても進むようなものではない」。チームには良いメンバーが揃っているようにみえる。GKホーンと、マロー、マッケナの両センターバックを中心にしたDF陣はあうんの呼吸でプレーできるトリオで、高い目標に耐えうるメンバー。マトゥシクやレーマンといったMF陣にも同じことが言えるはずだ。前方にだけ、突破力、フィニッシュに強いFWが足りない。

トップ(Spitze、シュピッツェ)のSになるか


昇格争いの重要な一角を、ケルンが占めるかどうかは、シーズン序盤にかかっている。昨季の開幕直後のように勝ち点が全く取れない、というのは許されない。

今季開幕は興味深い対戦相手が続く。ドレスデンでのアウェー戦で開幕すると、第2節には本拠地にデュッセルドルフを迎える注目のライン・ダービーが待っている。

Tobias Gonscherowski (トビアス・ゴンシェロフスキ)