戦術分析:93回目のルールダービーでドルトムントが勝利した理由

xwhatsappmailcopy-link

ブンデスリーガ第14節2日目が12月8日に行われ、香川真司が所属するドルトムントは敵地でシャルケと対戦し、2ー1で勝利した。この試合の行方を決定づけた戦術的要因を、当サイトが動画で解説していく(上部動画は英語、下記本文は日本語訳)。 ※ドルトムント主将マルコ・ロイスの試合後インタビューはこちら

・ルールダービー終了後の会見場。そこには一人の幸せな監督と、一人の悲しげな監督がいた。

・ドルトムントのルシアン・ファーブレ監督「非常に難しい試合でしたが、勝利に値したのは我々でした」

・では、なぜドルトムントにとって「非常に難しい試合」となったのか。(0分28秒のシーンでは)シャルケの中盤は4人でひし形を作り、コンパクトに守っている。これによりドルトムントは非常に狭いサイドからビルドアップするしかなく、この(0分40秒の)シーンではヤコブ・ブルーンラルセンへのパスをあっさりカットされてしまった。

・ただし(0分42秒のシーンで)ブルーンラルセンは約5m離れていたが、100%のスプリントでダニエル・カリジュリを追いかけ、再びボールを奪い返した。

・シャルケのドメニコ・テデスコ監督「局面を打開する力が、我々には欠けていました。これだけボールを持つ時間があり、大きなサイドチェンジから1対1の場面を作り出すこともできたのですが」

・続いて(1分10秒の)セットプレーの場面。シャルケにとって危険なエリアへ、ロイスが正確にボールを送ったことでドルトムントに先制点が生まれた。これは①シャルケの選手がもう数mだけ高いポジションを取る②シャルケの選手があらかじめ低いポジションを取る③GKが勇気を持って前目のポジションを取ることで防げたかもしれない。しかしこれらはなされず、スペースへ走り込んだトーマス・デレイニーは頭で合わせるだけだった。

・(1分30秒のシーン)この場面をサイドから見たものがこちら。

・ドルトムントのデレイニー「マルコから素晴らしいセンタリングが来ました。シャルケのDFのポジショニングが悪かったこと、完璧なタイミングでボールが来たことは、非常にラッキーでした」

・(1分44秒のシーン)デレイニーが動き出し、ロイスがボールを蹴るまで、その時間は1.72秒。デレイニーはこの間に4.5m動き、スピードに乗ったままシャルケDFの前に入ることができた。

・(1分58秒のシーン)続いて決勝点の場面。シャルケの2人が疲労からかサイドにしっかりと寄せていなかったため、CBから約25m離れていたジェイドン・サンチョまで一気にボールが渡ることに。

・サンチョがボールを受ける前の時点で、シャルケの2選手はそれぞれ13.6m、11.9m離れていた。

・一人目ノアレサンドロ・シェプフがサンチョにプレスをかけた段階で、二人目のカリジュリも数的優位で守るため、もっと積極的にプレスをかける必要があった。

・テデスコ監督「2対1で守るような場面で、我々のプレーはあまりにもひどかったです。できるはずのことが、この試合ではできませんでした」

・(2分30秒のシーン)サンチョは3つの正しい選択をした。1つ目は、安易なバックパスに頼らず、勇気を持って仕掛けたこと。2つ目は、自分が走り込めるスペースを見極め、ワンツーをもらうためのパスをラファエル・ゲレイロに出したこと。3つ目は、シャルケDFマティヤ・ナスタシッチが横パスを警戒していると瞬時に判断し、自らシュートを打ったこと。