絶好調から絶不調に陥ったドルトムント。今週末のシャルケとのルールダービーに向け、シュメルツァーに現状を聞いた - © © DFL DEUTSCHE FUSSBALL LIGA / Lukas Schulze/Bundesliga
絶好調から絶不調に陥ったドルトムント。今週末のシャルケとのルールダービーに向け、シュメルツァーに現状を聞いた - © © DFL DEUTSCHE FUSSBALL LIGA / Lukas Schulze/Bundesliga

ドルトムント主将「どんなことがあってもこの試合に勝ちたい」

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香川真司が所属するドルトムントは11月21日、欧州チャンピオンズリーグ(CL)のトッテナム(イングランド)戦で1ー2の逆転負けを喫し、グループステージ敗退が決まった。今季リーグ戦では第7節まで無敗を守り、首位の座に就いていたドルトムントだが、直近5試合で1分4敗となり、5位まで転落している。その陰で勝ち点を積み重ねてきたライバルのシャルケは2位へ浮上。25日に本拠地で開催されるルールダービーはドルトムントにとって正念場となる。トッテナム戦後にドルトムント主将マーセル・シュメルツァーにインタビューを行い、不調の原因やシャルケ戦について聞いた。

ーーなぜドルトムントは勝てなくなってしまったのでしょうか?

シュメルツァー トッテナム戦の前半は良かったと思います。僕たちは多くのことに取り組んできましたし、それを特にこの前半ではお見せすることができました。それについては、満足してもよいと思います。先制点を挙げることもできましたしね。でも、現在の僕たちの状況はこうなんです。また個人のミスから相手に不意にシュートチャンスを与えてしまった。トッテナムのクオリティーは高いですから、彼らは僕たちの最初のミスを彼らの最初のチャンスに生かしたわけです。

ーーそれで気力が失せてしまったのでしょうか? 少なくとも後半のドルトムントから勢いは感じられませんでした。

シュメルツァー ピッチに立っていなければ、そう言うのは容易いかもしれません。自分たちでいつも難しい局面をつくってしまい、相手にそのチャンスをいとも簡単に使われてしまったら、回復するのが難しいくらいメンタルをやられますよ。当然、最初の失点後には選手たちを立て直し、自分自身も奮い立たせようとします。でも、トッテナムは次のチャンスをそのまま2得点目につなげた。今の僕たちはいつもチャンスを無駄にしてしまい、辛いです。現在の自分たちの状況では、劣勢になってしまうと厳しいですから。もしかしたら、僕たちは「もう勝利を目指していない」と思われているかもしれません。でも、そうではありません。それに僕は自分たちに最後に欠けていたものは力だとも思っていません。

- © imago / Jan Huebner

「ダービーの勝利という責任」

ーー失点後、チームが不安定になるのが課題の一つでは?

シュメルツァー もっともなご意見だと思います。これほど多くの労力を費やし、良い試合をし、後半もさらに取り掛かった。でも、相手に最初のミスをつかれてしまった。そうなると現在の状況ではただただ、難しくなります。ホームで同点にされると、気合を入れなおし、それまでよりもうまくいくことがあります。でも、今の状況では辛さが倍になるだけです 。

ーークラブ史上最高のシーズンスタートを切ったにも関わらず、なぜこのような危機に陥ってしまったのでしょうか?

シュメルツァー 良い時と悪い時の時期がそれぞれ連なっていなかったら、こんなドラマチィックな感じには見られないんでしょうね......。現在の状況は僕たちが想像していたのと違うというのは、その通りです。でも、土曜日にはダービーがあるので、何かを変えるチャンスです。それが今の僕たちの任務であり、ファンや関係者、ドルトムントの街に対し、僕たちが果たす義務です。そして、勝利によって僕たちは再びこの状況から這い上がることができるでしょう 。

ーートッテナムに敗戦後、ファンはチームを鼓舞していました。

シュメルツァー 僕たち一人一人にとって、そしてチーム全体として、ファンからの信用を完全に取り戻すチャンスです。僕たちが期待に添うような結果を出せなかったにも関わらず、ファンは十分長い間、静かに見守っていてくれました。だから、僕たちは彼らに対し、ダービーの勝利という責任を負っています。土曜日には勝ち点3を獲得することだけが全てです。皆にツケを払うチャンスです。ホーム戦ですし、借りを返さないといけない。それはダービーでの勝利でのみ可能なのです。

ーートッテナムとの敗戦から、ダービー戦に向けてポジティブなことは得られたでしょうか?

シュメルツァー 僕たちが抱えているのは大きな問題ではなく、多くの細々とした問題です。多くのことに取り組むことができましたし、いくつかのことは、トッテナム戦の前半にお見せしたように、解決することもできました。今はまだ個人のミスが自分たちの首を絞めています。(先週金曜日の)シュトゥットガルト戦では開始4分にドタバタゴールを決められてしまいましたが、今度は後半開始4分にボールを不用意に失い、ゴールを奪われてしまいました。このような個人に関することに取り組み、土曜日はうまくやらないといけません。現在はそれにより勝利を逃しています。

――しかし、そういったことはトレーニングでは何ともならないのでは?

シュメルツァー そうですね。でも、ミスをしてしまったら、それを修正しようとしなければいけません。相手にそこからダイレクトにゴールにつなげさせてはいけない。それに、ミスをうまく処理し、その後も自分たちの試合のプランを実行できるよう、学んでいかないといけません。

――今回のダービーではドルトムントは本命ではありません。それはアドバンテージになり得ますか?

シュメルツァー ここ数年は僕たちが常にこのカードの本命でしたが、実際の試合ではチームのそれまでの状況が良いか、悪いかは関係ないってことも分かったと思います。それがダービーです。90分、95分になって、どちらがこの試合にどうしても勝ちたいか、ということだと思います。それを僕たちは見せないといけません。心身ともにしっかりと整え、どんなことがあってもこの試合に勝ちたいです。