戦術家トゥヘルのサッカー人生
ドルトムントのトーマス・トゥヘル監督は、チームを2シーズン連続で欧州カップ戦の準々決勝とドイツサッカー連盟カップ(DFB杯)の決勝へと導いた。同世代のドイツ人指導者の中で、最も優れた監督の一人に数えられるトゥヘルは、これまでどんなサッカー人生を歩んできたのだろうか。
マインツをクラブ史上初のEL出場に導く
1973年8月29日生まれのトゥヘルは、TSVクルムバッハのユースチームでサッカー選手としてのキャリアをスタートさせた。その後、当時4部だったアウクスブルクに加入し、1992年には2部のシュトゥットガルター・キッカーズで8試合に出場、3部のSSVウルムでは69試合に出場した。
慢性的な膝のケガが完治せず、プレーヤーとしての道は25歳の若さで諦めたが、トゥヘルのサッカー意欲は増すばかりだった。ウルム時代の監督だったラルフ・ラングニックから刺激を受け、シュトゥットガルトのUー19チームで指導者キャリアをスタート。5年後にはアウクスブルクに移り、ユースチームのコーディネーターとして3年間経験を積む。その後、マインツのUー19チームの監督に就任し、その年の国内大会で優勝を飾ってにわかに注目を集めた。