新天地シャルケで難しい仕事にチャレンジするドメニコ・テデスコ監督 - © © gettyimages / Daniel Kopatsch
新天地シャルケで難しい仕事にチャレンジするドメニコ・テデスコ監督 - © © gettyimages / Daniel Kopatsch

ドメニコ・テデスコってどんな監督?

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ドメニコ・テデスコのシャルケ監督就任は驚きを持って伝えられた。「強いシャルケの復活」という命題が与えられた31歳の若手指揮官は、どのような経歴を持ち、どのようにしてブンデスリーガの監督へとたどり着いたのだろうか。

テデスコ監督が注目を浴びるようになったのは、2016/17シーズンの終盤になってからだった。ホッフェンハイムのUー19チームの監督から、3月初旬にブンデスリーガ2部で最下位に沈んでいたアウエの指揮官に就任すると、短期間でチームを立て直して2部残留に導いた。アウエでの成績は11試合で6勝2分け3敗。細部に至るまで鋭い観察眼を持ち、独特な方法でチームに勝者のメンタリティーを植え付けた。練習でラグビーボールを使用することもあったという。

アウエの27歳のFWドミトル・ナザロフはテデスコ監督について、「細かいところまでいき届いた監督」と話す。「対戦相手に関する情報はすべて持っている。驚かされたこともあったけど、慣れたね。対戦相手に関係なく攻撃的なサッカーを貫く。彼の下でプレーするのは誰にとっても楽しいと思う」

テデスコ監督はシーズン中、「4ー3と1ー0の勝利でどちらかを選ばなければならないとしたら、私は4ー0がいい」とユーモアたっぷりに答えたことがあったが、ユベントス(イタリア)のサポーターだという彼の規律の厳しさをアウエの選手たちはすぐに知ることになる。「教育は重要だ。お互いに挨拶したり、他人に何かを頼む時は丁寧な言葉遣いをしたり、お礼をしっかりと言うことが自分たちの向上につながる」

アウエのヘルゲ・レオンハルト社長に「テデスコ監督がチームにもたらした最も大きな出来事は何か?」と質問すると、「チームを成長させたこと」と答えた。落ち込んだムードを払拭する必要がある今のシャルケにとって、こういった話はすべて歓迎すべきことだ。昨季はマークス・ワインツィアル監督の下で変革のシーズンと位置づけていたが、その試みは失敗。チームはブンデスリーガで10位に沈み、この7年間で初めて欧州カップ戦出場権を逃した。だが、シャルケの上層部にとって新監督のプロフィールは、陥ってしまった穴からチームを救い出してくれると確信させるものだったようだ。

スポーツディレクターのクリスティアン・ハイデル氏はテデスコの監督任命について、「プロチームでの経験は少ないが、チーム作りに関する話を聞いて我々は納得した。他の多くのクラブと同じように若い監督を任命したが、彼は特に革新的な監督だ。シャルケの幹部全員がこの決定を支持している」とコメントした。

監督自身は全く新しい領域へ踏む出すことになる。テデスコ監督の指揮官としての経験はユースチームと2部で残留争いをしていたチームのみ。UEFAの指導者ライセンスも昨年に取得したばかりである。シャルケの監督は、ラルフ・ラングニック氏が2011年9月に疲労を理由に辞任して以来、今回で6人目。監督在任期間は18カ月のイェンス・ケラーが最長だ。

ドイツ代表のヨアヒム・レーフ監督は、「シャルケの監督というのは簡単ではない。期待は高いし、プレッシャーが大きいからね」と、シャルケを率いることの難しさを認めている。また、テデスコ監督の就任については、「個人的に彼のことは知らない。彼がどういうふうにチームを導くのかも分からない。でも、アウエでは短い期間でいい仕事をして、数多くの勝ち点を獲得した」と期待を寄せている。

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