カリジュリ独占インタビュー「まだ27試合も残されている」
クラブ史上2度目の開幕5連敗を喫し、今季スタートダッシュに失敗したシャルケ。しかし不運の連鎖もようやく終わり、欧州チャンピオンズリーグ(CL)を含む直近の公式戦は3戦全勝を飾るなど、ようやくエンジンが本格稼働してきた。そこで当サイト独語版はリーグ戦中断期間を利用し、同クラブ主力の一人ダニエル・カリジュリとの独占インタビューを敢行。今季ここまでの流れ、さらには将来の展望などについて語ってもらった。
――開幕5連敗の後、ここまで公式戦3連勝です。最大の難関を越えたという思いでしょうか?
カリジュリ まあそうですね。まだ順位表の下の方にいますが、我々が前進しているのも確かです。とりわけ守備が安定してきましたし、相手にチャンスを与える場面は非常に少なくなってきました。直近3試合をすべて無失点で終えているのが何よりの証拠です。そして攻撃も開幕当初に比べ良くなってきました。先制点を奪えるようになりましたし、昨シーズン見せてきたような、1ー0のまま耐え抜くことができるメンタリティーを我々は持っているのです。今、シャルケは波に乗りかけている状態だと思います。
――今季序盤でチームがうまくいかなかった理由は何だと思いますか?
カリジュリ 序盤は「すべてが悪かったわけではない」と信じていましたが、単に「ポイントだけが欠けている」というわけでもありませんでした。ただ、開幕連敗、さらに3連敗と負けが続き、その次の試合で0ー0の状態が続いてしまうと、失点のことが頭をよぎってしまうものなのです。もしそのことを考えてしまえば、もちろん失点してしまいます。そのようなイメージを頭から切り離さなければなりませんし、我々はようやくその悪い考えを消すことができたのだと思います。
――その時のチームの雰囲気はどのようなものでしたか?
カリジュリ 我々は一丸となっていましたし、チームが持つクオリティーを疑ったことは一度もありませんでした。そして、あの勝てない時期から必ず抜け出せると信じていました。過密日程に突入してから、ようやく正しい方向へ第一歩を踏み出すことができましたね。あとはバスティ(バスティアン・オチプカ)とベンジ(ベンジャミン・スタンブリ)という2人の非常に重要な選手が戻ってくるのを待つだけです。
――あなたはチームの副キャプテンですが、言葉に重みを持つ立場として、どのような振る舞いを心がけているのでしょうか?
カリジュリ 何よりも大事なのは、選手がお互いにサポートし合うことです。中にはあまり出場機会をもらえない選手もいますが、彼らにもしっかりと声をかけること。それが年上の選手に課せられた任務でもあります。
――2017年1月からシャルケでプレーしていますが、これまでリーグ戦の欠場は2試合のみです。
カリジュリ 多くの試合に出場させてもらっていることは、もちろんうれしいです。私を信頼して使ってくれる監督にも大変感謝しています。必要とされれば、どのポジションでも構いません。信頼に報いる働きをしたいと思っています。
――あなた自身もまだ昨季のパフォーマンスにはまだ届いていませんが、それでもドメニコ・テデスコ監督はあなたを起用し続けています。
カリジュリ その通りです。第7節終了時であれば、数回はゴールやアシストなどを記録していたかったのですが…。
――シャルケの次節の相手はブレーメンですが、ボルシアMGやライプツィヒ、ヘルタ・ベルリンなどと並んで上位にいるチームです。今季のタイトル争いは、がぜん分からなくなってきたのでしょうか?
カリジュリ ブンデスリーガではどのチームが勝利しても不思議ではありませんが、今季は特にその傾向が強いのではないでしょうか。バイエルン・ミュンヘンも公式戦4試合未勝利ですし、やや混乱しているようです。タイトル争いの緊張感は、シーズン終盤まで保たれると思います。我々もまずは来季の欧州カップ戦出場権獲得を目指したいです。そのクオリティーは我々にありますし、まだ27試合も残されていますからね。
――最後に、来シーズンはカリジュリ兄弟の対決が見られる可能性もありますよね?
カリジュリ もちろんです!(兄のマルコ・カリジュリがプレーする)フュルトは良い状態ですし、昇格争いを最後まで繰り広げてほしいです。マルコはもう34歳ですし、兄弟対決のチャンスは、あまり多くないでしょう。もしブンデスリーガでそれが実現したら、本当にうれしいですし、マルコも同じ気持ちだと思います。唯一、私たちの両親だけは複雑な気分になるでしょうね(笑)