両チーム最多の1対1勝利数と走行距離、そして5年ぶりのダービー弾--11月8日に行われたブンデスリーガ第12節、宿敵シャルケとのルールダービーで、ドルトムントに所属する香川真司は周囲に完全復活を印象付けた。

再起をかけた2015/16シーズン

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昨年夏、ドルトムントに電撃復帰し、初戦でいきなりゴールを決めてみせた同選手だったが、チーム成績とシンクロするようにその後は低迷。最終節で1得点2アシストを記録し、退任が決定していた恩師ユルゲン・クロップ監督に最後の勇姿を披露することはできたが、香川にとって満足のいくシーズンでないことは、誰の目から見ても明らかだった。

それだけに、今季へかける意気込みは並大抵のものではなかった。プレシーズン中に行われたボーフム(2部)との練習試合後には、「“自分”を証明していきたい」と力強く語り、「新たなスタートということで、ヨーロッパ1年目の、怖いもの知らずで失うものがないような気持ちでやりたい」と、背番号をかつての23に戻した理由を語っている。

トップ下から左MFへ

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こうして開けた2015/16シーズン、第1節のメンヘングラートバッハ(ボルシアMG)戦で先制点をアシストすると、85分までプレーし、前年3位の強豪相手に4−0で勝利。それ以前から行われていた欧州リーグ(EL)予選やドイツサッカー連盟カップ(DFB杯)1回戦も含め、シーズン開幕から公式戦11連勝というクラブ新記録を打ち立てたドルトムントの中心には、紛れもなく香川の存在があった。

今シーズンの香川は、定位置であったトップ下を離れ、4−3−3の左MFに入っているが、同ポジションでの役割は多く、守備面での貢献も必須 。これまでとりわけオフェンス面での活躍が顕著だった香川だけに、果たして大丈夫なのかという不安もなかったわけではない。しかし、そんな心配も結果的には杞憂に終わった。

「インサイドハーフでは守備も、中の選手を生かすことも、色々なことを求められるので。逆に、人を使いながらうまく自分が生きることもあるし、チームメイトを生かすこともできる。時間もあるし、ボールタッチも増えるので、そういう意味では楽しみですね」

1対1勝率がアップ

香川の進化はデータにもはっきりと表れている。冒頭にも記したように、ルールダービーという大舞台にもかかわらず1対1勝利回数が両クラブで最多を記録し、今季ここまでの数字を見ても、勝率が急上昇しているのだ。

 2015/16
(※第12節まで)
2014/152011/122010/11
出場試合数12283118
1対1回数207381544302
90分あたりの回数18.118.220.219.9
総合勝率(%)48.342.034.241.1
空中戦勝率(%)52.231.816.030.2
地上戦勝率(%)47.844.138.342.9

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その点について香川は、以下のように話している。

「1対1の攻防で負けていたら駄目。攻守において(激しさを)求められるポジションなので、そういうところを意識して戦うようにしてます。(戦えるようになったのは)しっかりと練習できてるからだと思うし、トレーニングだったりで(体をうまく相手に)ぶつけられてるからだと思うんで。そういうところの怖さというか、負けずに、気持ちをしっかり強く持ってやるようにしてます」

まだ今シーズンも3分の1が終わったばかり。トーマス・トゥヘル監督の下、新境地を開拓した背番号23のさらなる活躍に期待したい。

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