前半戦総括:ドルトムント
2015/16シーズンのブンデスリーガは前半戦が終了した。当サイトでは束の間のウインターブレイクを利用し、各クラブの前半戦の出来を振り返っていく。今回は香川真司が所属するドルトムントを取り上げ、新監督の下で輝きを取り戻したここまでの戦いぶりを検証する。
チーム状況
ちょうど1年前のこの時期、ドルトムントは第17位という成績で前半戦を終えていた。その悪夢が遠い昔のことに感じられるほど、トーマス・トゥヘル監督の下、チームは鮮やかな復活を果たした。現在の順位は王者バイエルン・ミュンヘンを追う第2位で、第3位のヘルタにも勝ち点6の差をつけている。また、ドルトムントはこの前半戦で順位を2位以下に落とすことはなかった。
トゥヘル監督による柔軟性のある選手起用が功を奏した。香川が新たな定位置である左インサイドハーフで躍動したほか、ブンデスリーガ2部1860ミュンヘンから加入したユリアン・ワイグルや、右サイドバックにコンバートされたマティアス・ギンターが先発に定着するなどし、チームの層は厚みを増している。戦術面ではチームでボールを保持することに重きが置かれた。意図的な仕掛けから多くのゴールが生まれ、前半戦の得点数はバイエルンをも上回り、リーグトップの47得点であった。ドイツサッカー連盟カップ(DFB杯)と欧州リーグ(EL)で勝ち残るドルトムントは、過密スケジュールの中でも安定した戦いを見せているといえる。首位のバイエルンとの差を縮めるためには前半戦でのハンブルガーSV戦やケルン戦のような取りこぼしをしないことが肝要である。
トップデータ
- 得点47は、バイエルンをも上回りリーグトップシュートの成功率がリーグ内で最も高く、平均6本のシュートで1ゴールを挙げている流れの中から奪ったゴール数41は、リーグ内で最も多い