前半戦総括(1):ケルン
頼もしいモデステの存在
ケルンは年内最後の試合となったブンデスリーガ第16節でレーバークーゼンと対戦。アントニー・モデステが今季13点目となるゴール決めて“ライン・ダービー”で勝ち点1を手にした。これにより、ケルンは勝ち点でレーバークーゼンを4ポイント、メンヘングラートバッハ(ボルシアMG)を9ポイント上回り、堂々のライン地方ナンバーワンクラブとしてウィンターブレークに入った。
「勝ち点25の7位でクリスマスを迎えられるなんて素晴らしい」。GKトーマス・ケスラーはそうチームの思いを代弁する。ケガ人続出のアクシデントと戦いながらも、しっかり上位に足場を築くことに成功。最後の3試合はいずれも先制しながら勝ちきれないゲームが続いたが、ケスラーは「チャンピオンズリーグに参戦しているドルトムントやレーバークーゼンが相手だったことを忘れてはいけない。多くの負傷者の穴を埋めながら、コンスタントに勝ち点を重ねたことには満足していい」と胸を張る。
前半戦はエースのモデステがチームをけん引した。フランス人ストライカーは13ゴールで得点ランキング2位。チーム総得点21のうち3分の2近くを決めており、ケルンにとっては“生命保険”のような頼もしい存在だ。そのモデステと2トップを組むアルチョムス・ルドネフスは、第14節のドルトムント戦と15節のブレーメン戦で2試合連続ゴール。チームに貴重な勝ち点1をもたらしている。
ペーター・シュテーガー監督は「先週までの2週間はルドネフスがチームの生命保険だった」と選手それぞれが自分の役割を果たす理想的なチームに目を細める。さらに「失点も少ないが、それは必死に戦いながら後ろをコンパクトに守ってくれる選手たちがいてくれるからだ。そして前線にはトニー(モデステ)がいる。彼は守備を少しだけ減らすことを求める代わりに、攻撃でより力を出すことを要求されている」と、攻守ががっちりかみ合っていることに自信を見せる。
28歳のモデステはケルンに来てからの1年半で、リーグ戦50試合に出場して28得点。文句のつけようのない数字を残している。指揮官も大黒柱の特別な存在感を認めている。「チームにトニーがいてくれてうれしい。彼の加入と残留に相当骨を折ったからね。(残留は)チームにとってだけでなく、彼にとっても正しい決断だったと思うよ。みんながこれでハッピーだ。彼は自分の仕事をしっかり果たしてくれている。チームの他の選手と同じようにね」