Summary

  • マインツで4シーズン目を迎えるパブロ・デブラシス
  • 身長165センチの小柄な体格ながらチームに欠かせない存在
  • デブラシスが得点を決めた試合でマインツは無敗をキープ

マインツでプレーするパブロ・デブラシスの身長は165センチ。プロサッカー選手の身長としては最も小さな部類に入る選手である。しかし、この小柄なアルゼンチン人アタッカーはマインツに加入して以来、「サッカーは身長ではない」と言わんばかりの活躍を見せている。

マインツとの対戦をきっかけにドイツへ渡る

マインツサポーターが初めてデブラシスの存在を知ったのは2014年8月、その出会いはマインツにとって痛みを伴うものだった。マインツは欧州リーグ(EL)の本大会出場を懸けて予選でギリシャのアステラス・トリポリスと対戦。この時、相手チームでプレーしていたのがデブラシスだ。

マインツはデブラシスに1ゴール1アシストを許して1ー3の敗戦。しかし、デブラシスにとってはこの試合のパフォーマンスがその後のキャリアを変える転機となる。マインツのクリスティアン・ハイデルSDは、自軍を敗戦に追いやった小柄なアタッカーに興味を示し、8月末に3年契約で獲得。入団会見の席で次のようにコメントした。「EL予選における彼のプレーを見て、選手としての質の高さを確信した。デブラシスはマインツの新たな機動力になれるだろうし、彼の加入で攻撃の幅が広がる」

マインツへの移籍はデブラシスにとっても喜びだった。「簡単な決断だった。ブンデスリーガはギリシャよりも大きなリーグだからね。夢が実現したよ。子供の頃はいつもイングランドやスペイン、ドイツの試合を見ていたんだ。ブンデスリーガの試合は何もかもが速い。完璧なサッカーだ」

“不屈の姿勢”でサポーターの支持を獲得

マインツに加入して4シーズン目、来年2月には30歳の誕生日を迎えるが、デブラシスの情熱はチーム加入当初と何も変わっていない。小柄な体でしばしばビッグプレーを見せ、この3年余りでサポーターの心もがっちりとつかんだ。「100%の力で戦えばサポーターは分かってくれるし、感謝もしてくれる。アルゼンチンではそれを“不屈の姿勢”と言うんだ」

デブラシスは地元クラブのヒムナシアでキャリアをスタートさせたが、トップチームに定着することができず、期限付きで2部のフェロカリル・オエステに移籍。2年後の2012年にはアステラス・トリポリスに移籍したが、そこからの2シーズンで公式戦91試合に出場して20ゴール17アシストを記録した。

「地元で受けた教育が人生のカギだと思う。ヒムナシアでは非常に素晴らしいコーチや監督、チームメートに恵まれた。彼らがサッカーについて重要なことを教えてくれた。家庭でも両親は間違った態度を取ることを許さなかった」

欠かせない選手となったデブラシスは、持ち前の精神力と重心の低いドリブル、素早い動きでDFを悪夢に誘い、チームにとって重要なゴールをいくつも決めてきた。今季第6節のヘルタ・ベルリン戦ではPKで決勝点をマーク。このゴールはクラブにとって節目のブンデスリーガ通算500得点目だった。

「いい記録になった。クラブの歴史に名前を残すことができて良かった。でも重要なのはこの試合で勝利を挙げたってことだよ。チームにとって自信になるね」

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「デブラシスが決めれば負けない」

今季は第8節終了時点で6試合に先発。マインツが勝ち点3を得たレーバークーゼン戦、ヘルタ戦、ハンブルガーSV戦はいずれもデブラシスが先発している。昨季は出場31試合のうち半数近くが途中出場だったにもかかわらず、ブンデスリーガでのキャリア最高となる5ゴール5アシストを記録。チームの“切り札”としても活躍できることを証明した。

チームはデブラシスがゴールを決めた9試合で8勝1分けといまだ負けなし。また、驚くべきことにリーグ戦で挙げた通算11得点のうち3得点はヘディングによるものだ。

8月にクラブとの契約を1年延長したデブラシスは、「ドイツでの日々を楽しんでいる。マインツで4年目になるけど、居心地がいいし満足している」 と語る。マインツサポーターはかつてクラブのEL出場を阻んだデブラシスが、今度はクラブを欧州の舞台へ導いてくれることを願っている。

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