悲願のブンデスリーガ昇格、そして同2部優勝を成し遂げたインゴルシュタットについて紹介していく
悲願のブンデスリーガ昇格、そして同2部優勝を成し遂げたインゴルシュタットについて紹介していく

知っておくべき10項目

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<1:クラブ誕生>

FCインゴルシュタットは2004年、MTVインゴルシュタットとESVインゴルシュタットという2つのクラブが合併して誕生。4086人が観戦に訪れたメンヘングラートバッハ(ボルシアMG)との練習試合が初のゲームだった。そして最初のシーズンはアマチュアのバイエルンリーガで2位となり、翌シーズンに優勝。当時3部のレギオナルリーガへ昇格を果たした。

<2:ブンデスリーガ2部へ>

冬にフィンク監督を据え調子を上げたインゴルシュタットは2008年5月31日、ウンターハヒングに2-0で勝利し、ブンデスリーガ2部への昇格を決定付けた。しかし2008/09シーズンは厳しい戦いを強いられ17位でフィニッシュし、同3部へ降格。そして2009/10シーズンは3位に食い込み、ロストックとの入れ替え戦を制して、再び昇格を成し遂げた。以後、今季にいたるまで2部リーグの常連となっている。

<3:スタジアム>

2010年7月24日、14カ月の建設期間を要した新スタジアム、アウディ・スポーツパークがオープン。その日は大会が開かれ、アウクスブルクウォルフスブルクが参加し、当時後者に在籍していたも試合に出場している。また初の公式戦は同年8月13日に開催されたDFB杯1回戦カールスルーエ戦だった。収容人数は約1万5700。

<4:町>

ミュンヘンから北に約80kmのこの町は、1989年に人口10万人を突破。現在は約12万7000人が住んでいる。面積はミュンヘン、ニュルンベルク、アウクスブルクに次ぎ、バイエルン州内で4番目に大きい。また大手自動車メーカー『アウディ』が本社を構えている。

<5:愛称はシャンツァー>

クラブの愛称はシャンツァー(Schanzer)。「シャンツェ(Schanze)をする人」という意味で、シャンツェとは日本語で「堡塁」。1537年、町の周囲に堡塁が築かれ、インゴルシュタットは要塞都市として発展。バイエルン選帝侯領軍の重要な拠点となった。それ以来、同都市はシャンツァーと呼ばれ、クラブもそのあだ名を拝借している。

<6:名コーチの存在>

ハーゼンヒュットル監督を陰で支えるのは2013年から在籍するヘッドコーチのヘンケ氏。同氏はドルトムントケルンバイエルン・ミュンヘンなどでコーチを務め、ヒッツフェルト氏やクリンスマン氏らの右腕として活躍した。その評判は国境を越え、エステグラル・テヘラン(イラン)やアストンビラ(イングランド)などでコーチ及びスカウティングを担当したこともある。

<7:マスコット>

2012年にクラブ公式マスコットのシャンツィが誕生した。背番号はクラブ誕生年にちなんで04。クラブのロゴに描かれている竜をモチーフにし、チームカラーと同じく赤い色をしている。

<8:当たらずとも遠からず>

2011年に行われたインタビューで監査役のマーティン・ワーゲナー氏は「2014年にブンデスリーガへ昇格できればうれしいね」と話していた。結果、その希望からは1年遅れてしまったが、今回の同2部優勝は、首脳陣が確固たる中長期的目標を掲げ、それを忠実に実行した成果であることは間違いない。

<9:ストライカーの不在>

今シーズン第33節終了時点で2桁得点をマークしている者はおらず、FWとFWが9得点でチームトップ。FWとMFが7得点で続いている。特定のストライカーに依存しないスタイルで昇格を成し遂げたが、同じ陣容で戦えるほどブンデスリーガは簡単ではない。夏の移籍市場でどう動くのか注目だ。

<10:ファン>

先述のように初試合では4000人しかいなかった観客も、10年にわたる地道な集客活動が実を結び、今や常時1万5000人が集うようになった。SNSサイトを使っての広報活動にも熱心で、フェイスブックのクラブ公式ページには3万9000人のファンが登録しており、またツイッターには2万7000人のフォロワーが存在。