フィールドプレーヤーとしては2番目に多く出場している細貝(左)と、ベンチに座る時間が増えつつある原口(右)。チーム内での立場は対照的だ
フィールドプレーヤーとしては2番目に多く出場している細貝(左)と、ベンチに座る時間が増えつつある原口(右)。チーム内での立場は対照的だ

残留が現実的目標に

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前半戦総括(ヘルタ・ベルリン)

連勝はないが、3連敗以上することもない――とが所属するヘルタ・ベルリンは、好不調の波が激しく、安定を欠いた前半戦を過ごした。第2節以降、1度も11位以上に浮上することができなかった彼らの順位が、それを物語っている。

開幕前予想と現状

重要な得点源だったアドリアン・ラモスがドルトムントへ去ったことで転換を求められたヨス・フルカイ監督は、特定の個人に依存する形から、攻撃のバリエーションを増やす道を目指した。また守備でも、これまでより強固に守り抜くことを信条とし、ヨニー・ハイティンハやマービン・プラッテンハート、イェンズ・ヘーゲラーらを補強。前線を含めると総勢8名のレギュラー候補を獲得し、中位は固いと思われたが、しかしふたを開けてみるとコンビネーションと戦術浸透が不足し、不安定なシーズンを過ごしている。もちろん試合を重ねるごとに目指すべき形が少しずつ見えてきており、第15節では本拠でドルトムントに1-0の完封勝利。ところが第16節では3点のリードを追いつかれ4-4の引き分け、第17節ではホームで0-5の屈辱を味わうなど、前半戦を象徴するかのようなジェットコースターぶり。今や“新戦力の融合”などと悠長なことは言っていられず、ブンデスリーガ残留を現実的な目標として捉えなければならない。

長所と短所

18クラブの中で上位に位置する項目は、カウンター攻撃への対応力。うまく相手を遅らせることに長けており、ここまでカウンターから許したシュートは15本のみ(リーグ3位)。またFW陣の効率も良く、平均3.6本のシュートで1ゴールを挙げている。さらにセットプレーからの得点数はウォルフスブルクの11に次いで、リーグ2番目の10点だ。しかし「ボール支配率」と「開始15分での得点」の項目ではリーグ最低で、それぞれ43.6%、0得点となっている。

前半戦のMVP:MFニコ・シュルツ

地元ベルリン生まれベルリン育ちのレフティー。7歳でヘルタに入団して以降、同クラブ一筋の生え抜きで、サポーターからも愛されている。アンダー世代ドイツ代表の常連でもあるサイドのスペシャリストは、昨季徐々に出場機会を増やし23試合に出場したが、90分間をピッチで戦ったのは10回だけ。しかし今季は前半戦終了時点ですでに9回フル出場しており、主力と呼べる存在にまで成長した。

細貝と原口、対照的な立ち位置

ルフカイ監督の申し子と言っても過言ではない細貝は、フィールドプレーヤーとしてはロイ・ベーレンスに次いで2番目に多い1280分に出場。ボランチだけでなく時にはCBとしてもプレーするなど、相変わらず指揮官の信頼は絶大だ。第17節のホッフェンハイム戦で5枚目の累積警告をもらってしまったため、後半戦開幕第1試合目には出場できないが、「試合に出ることはないですけど、チームのために準備して努力していきたい」と話す姿からは、中心選手としての風格さえ漂う。一方、今夏新加入の原口は、先輩細貝のサポートを受けながら順調なスタートを切り、開幕戦でも先発に名を連ね1アシストと結果を出した。しかし負傷明けの第4節~第6節でチャンスをもらいながらアピールに失敗すると、それ以降スターティングイレブンに入ったのは1度だけ。ベンチを温めることが多くなり前半戦を終了している。

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