再開目前、ブンデスリーガ2部

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日本人選手所属チームの課題と展望

ブンデスリーガ2部は2月7日に1カ月半の中断期間が終了し、第20節をもって再開する。今冬は1860ミュンヘンが日本代表FWを獲得、さらにケルンにもMFが加入し、MF(ボーフム)、FW(アーレン)を含む4人の日本人選手が2部の舞台でしのぎを削ることになった。bundesliga.comでは、リーグ再開を目前に控えた各チームの課題と展望を紹介する。

チーム状況

国際経験の豊富なシュタインヘーファー(レアル・ベティス/スペイン)と日本代表FW大迫(鹿島アントラーズ)の加入により、攻撃力は格段に向上すると考えられる。さらにアンドレアス・ルートビッヒ(ホッフェンハイム)が今冬、新たに加わったことで、選手層にも厚みが出てきた。課題はチームとしての完成度を高めることにあるだろう。強化試合では3-0で勝ったSVグレディグ(オーストリア)戦を除いて、白星がなかった。


課題

最大の課題は、19試合でわずか18得点という得点力の低さ。リーグで下から2番目の得点力の向上なくして、昇格はあり得ない。大迫がこの点でどこまでチームに貢献できるかが、チームの行方を左右する。


展望

自動昇格の希望は小さいが、入れ替え戦の参加権は手の届く範囲にある。今後、間違いなくキープレーヤーになるであろう大迫は強化試合4戦に出場して、早速1ゴール1アシストと結果を出した。本人も目標と断言する「1部昇格」が実現できるかに注目が集まる。

チーム状況

点取り屋のFWヘルメスは腰痛のため強化試合には1試合も出場することができなかったが、今週初めからチーム練習に復帰している。ヘルメスが初戦のパーダーボルン戦を欠場した場合は、通常の4-4-2から4-2-3-1に切り替え、FWウジャー、もしくはFWブレーカーが1トップに入ることになるだろう。新加入の若手2人、FWフィネ(18)とMF長沢(22)は強化試合でアピールに成功しており、途中出場のチャンスを得られそうだ。


課題

破壊力のある攻撃に安定した守備と、バランスがとれている。交代要員の選手から今のところ不満の声は聞こえないが、この状態が崩れることが唯一の不安要素だ。ここはシュテーガー監督の腕の見せどころとなる。これまでは和を乱す選手を容赦なくセカンドチームへ送るなどし、調和を保ってきた。


展望

昇格へ向けもはや死角は見当たらない。今季のチームにはそう感じさせるだけの安定感と戦力がある。第22節では現在2位のフュルトとの上位対決が待ち受けている。

チーム状況

可もなく不可もなくという結果で冬季リーグ中断期間を迎えたが、補強には踏み切らなかった。11カ月間欠場していたMFジンケビッツが近いうちに復帰すれば、戦力の向上が望める。


課題

18得点はリーグで2番目に少ない。調整期間でも改善は見られず、強化試合4戦では1勝もできなかった。ただ3度はブンデスリーガ1部のチームと対戦しており、ドルトムント戦(1-2で敗戦)で善戦したことは評価に値する。


展望

攻撃が問題視される一方で、守備は安定している。20失点はリーグで4番目に少ない。上位進出の見通しは良くないが、残留争いの経験が豊富なノイルーラー監督は、チームを降格の危機から救う術を熟知しているはずだ。田坂はこれまで全試合出場(うち先発は17試合)で3ゴール1アシストという結果を残している。後半も攻撃の起点として期待される。

チーム状況

今冬は2人の攻撃的MF、エスターヘルベーク(元アイントラハト・フランクフルトU23)、Fダックフース(元マインツU23)を獲得。またDFメスマーも11月初旬の足首のけがから復帰し、攻守の両面で選択肢が増えた。これまで4試合出場にとどまっている阿部にとっては、ポジション争いでの立ち位置がさらに悪くなったとも考えられる。


課題

無得点に終わった試合がリーグ最多の10試合あった。原因はチャンスが少なかったことではなく、チャンスで決められなかったこと。アーレンはこれまでリーグで3番目に多いシュート104本を放っている。チームの合計18得点のうちMFバレンティーニ(5得点)とFWレヒライター(4得点)の2人が半数を担っている状況で、他の選手の奮起が待たれる。


展望

3連敗で中断期間に入ったのみならず、強化試合では7試合を行ってわずか1勝に終わり、残留争いを戦う上で大きな不安を残す内容となった。リーグ再開からの2試合は残留争いのライバル(アウエ、コトブス)との試合が続く。勝てば残留争いから距離を取ることができるが、負ければ順位逆転となり、早くも正念場を迎える。