エキチはドゥット新監督の期待を一身に背負う
エキチはドゥット新監督の期待を一身に背負う

新時代の到来

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ブンデスリーガ今季みどころ

根強く残る悪いイメージ

2012/13シーズンは後半戦で思わぬ不調に陥り、シーズン終了ぎりぎりまで残留争いの渦中にあったブレーメン。新シーズンへ向けた準備を始めるに当たり、最重要課題は守備だ。これは昨季の失点数が66で、67のホッフェンハイムに次ぐリーグワースト2位であったことにも象徴されている。

「修正が必要な点はいくつかある。ただ、守備の改善は最優先」と語気を強めるのは主将のDFフリッツ。失点を減らすことが勝ち点獲得のカギであることは、選手一同、重々承知している。だからこそ、守備の要ソクラティスのドルトムント移籍は、チームに暗い影を落とす。後任にはインテル(イタリア)から将来有望なDFカルディローラが獲得されたが、経験不足は否めない。必然的にDFプレードルにかかる負担が大きくなる。



守備の不安要素はこれにとどまらない。左サイドバックのシュミッツが、1860ミュンヘンとの強化試合で全治6週間の骨折を負うという不運も重なった。新シーズンに希望が見いだせない中、ブレーメンは強化試合でオスナブリュックに0-1、PECズボレに2-3と敗戦を続けた。この状況は、ファンに昨季の悪夢を思い出させる結果であり、他でもなくチーム自身に昨季からの切り替えができていないことの証拠である。
14年にわたるシャーフ前監督の長期政権を引き継いだドゥット新監督は「攻撃と守備のバランスがまだ良くない。選手は昨季後半戦の悪いイメージを引きずっている」と頭を悩ませる。開幕まで残された時間を使って、まずは立ち直ることからスタートしなければならない。アイヒン・スポーツ担当取締役は「いまの状態はどうでもいい。公式戦の初戦になるDFB杯のザールブリュッケン戦で100%になっていればいいのだ」と気長に構えている。

中盤の潤滑剤、新加入マキアディ



「ブレーメンは新時代を迎えようとしている。ドゥット監督には独自のサッカー哲学を持っており、それをしっかり説明してくれる。あとは自分たちがそれを実践できるようにならなければ」とフリッツは、主将らしくチームを鼓舞する。ブレーメン再生のカギを握るのは、新加入のMFマキアディかもしれない。古巣のフライブルクでドゥット氏の教え子だったこともあり、適応は早いだろう。29歳のベテラン、マキアディが中盤で潤滑剤として機能できれば、ブレーメンの攻撃力も大幅にアップするはずだ。昨季はMFエキチ、MFエーリアら優秀な若手がいながら、それを引っ張る強力な選手がいなかった。

鍵を握るもう1人の選手は、FWペーターセン。昨季11得点を挙げたストライカーが今季も同様のパフォーマンスを発揮すれば、ブレーメンは残留争いとは無縁のシーズンを送ることができるだろう。「昨季は多くの選手が能力を出し切れなかった。実力さえ出せれば、昨季以上の順位は可能」と、ペーターセンの言葉はシンプルだ。

Michael Reis (ミヒャエル・ライス)

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