2007年から2010年まではレアル・マドリードに在籍した
2007年から2010年まではレアル・マドリードに在籍した

「レアルは守備が弱点」

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メッツェルダー、CL準決勝ドルトムント戦を語る

【ミュンヘン発・bundesliga.de編集部】ドルトムントは、シーズン最高潮の瞬間を前にしている。CL準決勝レアル・マドリード戦だ。ドルトムントファンだけでなく、もちろん選手も勝利と決勝進出、そしてヨーロッパでもっとも重要なタイトルを夢見ている。

ドルトムントとウェンブリーでの決勝の間にはまだ180分、そしてスペインの記録的王者との対戦が待ち構えている。bundesliga.deのインタビューで、元ドルトムントDF(現シャルケ)が試合の意味、ジョゼ・モウリーニョの心理戦、ドルトムントの決勝進出へのチャンスなどについて語った。

bundesliga.de あなたは2003年に、ドルトムントの若きプレーヤーとしてCLでレアル・マドリードと対戦しました。そのような試合では、いったいどんな気持ちなんでしょう? ナーバスになるのか、それともモチベーション?

メッツェルダー まずは準決勝でそのような相手と対戦することに対する、信じられないほどのモチベーションですね。この試合はドルトムントにとって、CLでプレーした素晴らしいシーズンの報酬でもあったんです。でも私は、いまそのことについて話すのを聞きたくないですね、CLの試合は純粋に楽しむことができるという。これはCL決勝進出がかかっていることなんです。もしそこまで来れば、スポーツマンとしては絶対に達成したいと思うもの。だから非常に大きなナーバスな感情も生まれる。レアルの場合は少し違うようですね。彼らはここ何年も常にCLに出場し、モウリーニョのようなこういった状況での経験豊富な監督がいる。これはレアルの利点だと思います。

bundesliga.de いまのドルトムントのような若き挑戦者としては、畏敬の念を持って試合に臨むものですか?

メッツェルダー もちろんだれと戦わなければならないかは分かっています。クリスティアーノ・ロナウドとマッチアップする選手は、世界でもトップクラスの選手と対峙していることを知っています。彼はどんな瞬間でも、一つひとつのアクションで流れを変えることができる状態にいます。特に守備陣は常に頭をはっきりとさせ、少しの運も持たなくてはなりません。クリスティアーノはボールを持てば、40mからでもシュートを打ってきます。

bundesliga.de あなたが2003年に対戦したレアルといまのレアルを比較することはできますか?

メッツェルダー 当時ドルトムントの一員としてレアルと対戦したことは、本当に信じられないことでした。ラウル、フィーゴ、ロナウド、ジダンなど超ビッグネームですよ。あのときはグループリーグでの対戦で、いまのように準決勝ではありませんでした。シーズンが進んでタイトル獲得のチャンスが近づくにつれて、ビッグクラブは集中を高めてきます。レアルのようなチームはグループリーグでの試合では、ギアを一段階下げていると言えるでしょう。しかしタイトルがかかるとなると、彼らは特別な性質を発揮してくる。ドルトムントとの一戦で彼らが有利だと私が考える理由はそこにあります。

bundesliga.de レアル・マドリードがグループリーグでみせたような隙によって、再びドルトムントに敗れる可能性はありますか?

メッツェルダー グループリーグの試合後、彼らはとにかくさらなる警告を受けました(第1戦を1-2で敗戦、第2戦は2-2で引き分け)。ドルトムントはそのクオリティーをマドリードでも示しました。ジョゼ・モウリーニョがフュルトでドルトムントの試合を観戦したことは、心理戦がとっくに始まっていることを表しています。しかしレアルはドルトムント戦を真剣にとらえています。

bundesliga.de モウリーニョですが、このような準決勝の試合で監督として違いをみせることはできますか?

メッツェルダー もちろん! レアルがCLで優勝すると予想したことには、モウリーニョが多くの要因を占めています。彼がこのタイトルをもってマドリードを去るのではないかという印象を受けています。モウリーニョは自分のチームだけでなく、対戦チームや観客にも影響を与える監督です。私が思うに、彼は準決勝の対ドルトムントでもそれを発揮するでしょう。

bundesliga.de ドルトムントはまずホームで戦います。これは不利でしょうか。

メッツェルダー そうですね、第2戦を本拠で迎えるレアルにとっては、間違いなく有利だとでも言いましょうか。私がマドリードにいた時代、信じられない逆転勝ちを何度も経験しました。だいたい最後の20分に特別な雰囲気と勢いが出てきました。このカードでのベルナベウのもつ力を過小評価はできません。

bundesliga.de レアルの利点はどこにありますか? ドルトムントはそれに対して何ができるのでしょう。

メッツェルダー モウリーニョが全体的にバランスを重視するとしても、攻撃的なプレーは間違いなくレアル・マドリードのDNAです。しかしディフェンスワークと守備のオリエンテーションに関しては、ドルトムントが有利です。ボールに対する仕掛けもまた、チーム力と関係してきます。ボールへの守備的プレーは、ドルトムントの大きな長所であると言えます。

bundesliga.de ドルトムントはレアル戦でチャンスを得るには、何を注意すべきですか?

メッツェルダー レアル・マドリードはドイツのチームを得意としています、特にドイツチーム本拠では。レアルに対してはフィジカル的で速いゲームを仕掛け、1対1に持ち込まなくてはなりません。ドルトムントは決勝進出への基盤をホームで敷かなくてはならない。アウェーでの第2戦はかなり難しくなるでしょう。

bundesliga.de クリスティアーノ・ロナウドはレアルの中心選手です。あなたからみて、ドイツ代表のメスト・エジルとサミ・ケディーラはどんな役割を演じることになりそうですか?

メッツェルダー メスト・エジルはファンタスティックな選手です。マドリードでさらに一皮むけました。シュートに関してはどちらかといえば利他的なタイプで、クリスティアーノ・ロナウドほどは目立ちません。しかしレアルの試合にとって、ゴールチャンスを作り出すことに関してはエジルはものすごく重要です。サミ・ケディーラはマドリードの肺のような存在ですね。攻撃的なレアルにとっては非常に大切な守備をコントロールするだけではありません。彼はどんどん2列目から前へ出て行きます。2人ともレアル・マドリードのコンセプトの中核を成す選手です。

bundesliga.de ドルトムントの選手ではだれがレアルから敬意を受けているのでしょう?

メッツェルダー 、、。彼らは間違いなくレアルが一目置き、ディフェンス陣が集中的にケアするであろう選手ですね。レアルのようなクオリティーが高いチームでも、守備に少し弱点があります。そこにドルトムントはつけこむべきです。

bundesliga.de 経験からはレアル・マドリード有利ということですが、ドルトムントはそれを熱意で覆せますか?

メッツェルダー 間違いありません。ここ数年でドルトムントは国際舞台でもそれを証明しています。ドルトムントの全員が、これらの試合では2度、最高の結果を出さなくてはならないと知っています。熱意などの要因によって、より高いサッカー的クオリティーを持つチームを破ることはできるんです。



聞き手 ディートマー・ノルテ(Dietmar Nolte)