前半戦では王者バイエルンに0-5での大敗を喫したハノーファー。そのリベンジを果たしたい
前半戦では王者バイエルンに0-5での大敗を喫したハノーファー。そのリベンジを果たしたい

記録更新なるか

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バイエルン、2つのリーグ記録塗り替えも

ハノーファー 対 バイエルン

ブンデスリーガ第30節2日目は4月20日、日本代表MFと同DFの日本代表対決となるフランクフルトシャルケなど、6試合が各地で行われる。

フランクフルト対シャルケの見どころへ




日本代表DF酒井宏樹ハノーファーは、ホームで王者バイエルンを迎え撃つ。前節ではフライブルク1-3の完敗を喫したハノーファー。今季は順調な滑り出しをみせたが、前半戦終盤から失速すると、後半戦に入ってからは苦しみながらも少しずつ勝ち点を積み重ね、徐々に浮上してきた。シーズン中盤以降からは欠場者が続出し、「負傷者が出なければ、もっと勝ち点を稼いでいただろう」とスロムカ監督がフライブルク戦の前に語っていたように、特に攻撃の要であるMFサボルチュ・フスティの不在はチームに大きな影響を与えている。しかし前節終了時点で、目標であるEL出場権が獲得できる6位との勝ち点差は4。数字だけ見れば、残り5試合でまだまだ逆転の可能性は残されていると言えるが、今節の相手は史上最強のバイエルンとあって、勝ち点3の獲得は非常に困難だ。前半戦では0-5で大敗した。今季、本拠では強いハノーファーだが、王者相手に勝ち点を分け合うことができれば上出来だろう。

酒井は第28節シュトゥットガルト戦で、本来のポジションではない右MFで出場し高評価を得たものの、翌節では再びベンチで90分間を過ごした。先発出場は微妙な状況だ。その酒井が右サイドバックのポジションを争う主将スティーブン・チェルンドロは、今節で同クラブ所属選手としては最多記録のブンデスリーガ298試合出場をマークすることになる。

一方のバイエルンは16日のDFB杯準決勝で、日本代表MF長谷部誠ウォルフスブルクを、決勝進出を決めている。リーグ優勝に加えてDFB杯の2冠へ王手をかけ、その勢いはとどまることを知らない。前節では1シーズンで19試合完封、そして25勝という2つのリーグ最多記録に並んだ。さらにこの試合に勝てば、ドルトムントが持つ史上最多勝ち点81に並ぶ。今節でその記録にストップがかかるのか、またはさらに塗り替えられるのか。ハノーファーイレブンにとっては意地の見せどころである。



レーバークーゼン 対 ホッフェンハイム


日本代表MFが所属するレーバークーゼンは、本拠に同MF宇佐美貴史ホッフェンハイムを迎える。レーバークーゼンは今季、本拠地バイヤーアレーナでは9勝2敗3分と大きく勝ち越しており、ホーム戦に限れば王者バイエルンに次ぐ2位の戦績だ。チームはが、ここ5試合では1勝しか挙げておらず、好調とは言い難い。上位チーム間の勝ち点差は、1試合ですぐにひっくり返る状況だ。得意とする本拠で下位チームを迎える今節、そして次節ブレーメン戦はきっちりと勝利したい。ホッフェンハイムはレーバークーゼンが得意とする相手で、過去の対戦では8勝1分と圧倒しており、この試合も圧倒的有利とみられる。細貝は5試合連続でベンチ入りはしているが、出場機会は2回。それも後半終盤になってからの投入で、アピールするのはなかなか難しい状況となっている。

残留争いを続けるホッフェンハイムは、ギスドル新監督の下で生き残りをかけて必死だ。新体制初戦の第28節対デュッセルドルフでは3-0で快勝し、望みをつないだ。翌29節ではウォルフスブルクに2-2で引き分け、勝ち点1を獲得した。しかし今節を含む今季残り5試合の相手はレーバークーゼン、ニュルンベルクブレーメンハンブルガーSVドルトムントと、今のチームにとっては厳しい相手が続く。最低でもなんとか引き分けに持ち込み、勝ち点1をもぎ取りたいところだ。宇佐美は監督交代後は2戦連続ベンチ外となっており、この試合もメンバー入りの可能性は低い。



ブレーメン 対 ウォルフスブルク


日本代表MF長谷部誠が所属するウォルフスブルクが敵地で対戦するのは、ブレーメン。北部対決のこの試合、前節を終えて順位の並ぶ2チームによる一戦でもある。ウォルフスブルクはここ5戦負けていないが、上位フライブルクを5-2のハイスコアで破って以来、4試合連続引き分けと勝ち切れていない。さらに2部との入れ替え戦となる16位との勝ち点差も、前節終了時で7とまだまだ安心できるほどの貯金はなく、下位との直接対決を落とすわけにはいかない。

ここ最近は5戦2勝1敗2分と比較的相性のいいブレーメンが相手だが、油断は禁物。しかしではバイエルンに完敗を喫し、シーズン残りはリーグ戦に集中できる状況となったため、これをポジティブにとらえて試合に臨みたい。長谷部は体調を崩した第25節フライブルク戦、第26節デュッセルドルフ戦を除けば、ポジションは異なるもののコンスタントに出場を果たしており、今節も先発が濃厚だ。元ブレーメンのDFは、古巣相手に記念すべきブンデスリーガ200試合目を迎える。堅い守備で勝利をもたらすことができるか。

対するブレーメンは、第21節でシュトゥットガルトに快勝して以来、8試合勝ち星に恵まれていない。シーズン当初から降格争いを続けるアウクスブルクフュルトにもそれぞれ敗戦、引き分けとスランプに陥っている。今節の下位対決に勝てば、少なくとも順位がひとつ上がることは確定的なため、必死で勝利をつかみとりに来るだろう。



ハンブルガーSV 対 デュッセルドルフ


FW大前元紀デュッセルドルフは、アウェーでハンブルガーSVと対戦する。なかなか降格の不安から抜け出せないデュッセルドルフは、ここ7試合で4敗3分と勝ち点3を獲得できていない。前節ブレーメン戦では、幸先よく先制したものの追いつかれ、再度の勝ち越しもまたまた同点とされ引き分けと、勝てる試合で取りこぼしている感は否めない。今季これまででアウェーのみの順位は17位と、苦手としている敵地で上位のハンブルガーSV相手にどこまで食い下がれるか。ホームで行われた前半戦の同カードは2-0でデュッセルドルフが制しており、チャンスはある。大前は肋骨負傷から復帰、前節から再びメンバー入りしさっそく途中出場を果たしている。今節もベンチスタートから途中出場の可能性が大きい。



ドルトムント 対 マインツ


欧州チャンピオンズリーグ(CL)で4強進出を果たしているドルトムントは、リーグ戦でも4連勝中と好調だ。前節では最下位フュルトから6点を奪う大勝で、リーグ戦29試合を終えて72ゴール、クラブ史上2位の記録をマークした。クロップ監督はユース世代の若い選手の起用や出場メンバーを部分的に変更するなど、ポジション争い活性化と同時に選手の疲労蓄積を避け、チームを成功に導いている。リーグ制覇の目標は断たれているが、CL優勝という大きな夢はまだ残っており、選手たちのモチベーションは高い。前節までに11試合連続ゴールを決めているFWレバンドフスキの記録更新にも注目が集まる。対するマインツはここ4試合勝利なし、順位も徐々に下降気味だ。ここで勝って嫌なムードを吹き飛ばしたいところだが、前半戦でも1-2で敗れているドルトムント相手に勝ち点を奪うのは容易ではない。