酒井(左)は出場した14試合ではすべて先発起用。右はフランクフルトの乾貴士
酒井(左)は出場した14試合ではすべて先発起用。右はフランクフルトの乾貴士

酒井高徳(シュトゥットガルト)

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前半戦の日本人選手を振り返る(4)

7~8月のロンドン五輪、そして8月中旬にA代表に招集されたため、ブンデスリーガのプレシーズン合宿や練習に参加できず、調整遅れによって開幕先発メンバー入りを逃した。しかし同僚の負傷もあり、第4節以降はレギュラーの座を取り戻した。出場した14試合ではすべて先発起用され、合計プレー時間は日本人選手で3番目に多い1237分、ボールタッチ数は、試合数の同じ1部の日本人選手9人中トップの959(90分平均では70)。しかし調整遅れをなかなか取り戻せず中盤まで苦しみ続けた。

チームが欧州リーグに参戦していることもあり、試合間隔が短いため、疲労の影響などからもプレー内容は上向きにならなかった。序盤から中盤まではチームも絶不調で、一時期は降格圏転落もあり、酒井自身もパフォーマンスの向上に苦しんだ。しかし代表戦に招集されている間もチームから特別メニューを与えられるなど、周囲の助力もあり徐々に本来のプレーを取り戻し、同時にチームの順位も上がってきた。

「今年は試合数が多くなった時に自分のプレーの質が下がる、っていうのをすごい感じた」と、後に前半戦を振り返って反省。「試合が詰まっている時に、自分のパフォーマンスをいかに維持できるかというのは非常に大事だと勉強になった」と、後半戦に向けての課題を見つけた様子だ。11月22日のヨーロッパリーグでのステアウア・ブカレスト(ルーマニア)戦では、2012年1月のシュトゥットガルト加入以来、公式戦初となるゴールを決めた。シーズン後半戦ではリーグ戦初ゴールを狙う。可能性は十分にあるだろう。



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