Summary

  • ドルトムントの香川が日本人歴代最多となる通算38得点目をマーク
  • 記念すべきゴールは芸術的なループシュートから
  • ヒーローの座を確立した“ルール・ダービー”を思い起こさせる一撃

ドルトムントの香川真司がこれ以上ない形でブンデスリーガの歴史にその名を刻んだ。9月30日に行われた第7節のアウクスブルク戦で、感性溢れるループシュートから決勝ゴールをマーク。ブンデスリーガ通算得点数を「38」に伸ばし、日本人歴代単独トップに躍り出た。

歴史を塗り替える華麗なループシュート

1ー1で迎えた23分、ペナルティーエリア内中央でアンドリー・ヤルモレンコの横パスを受けた香川は、一瞬ゴールに視線を向けてGKの位置を確認すると、エレガントな浮き球のシュートでゴールネットを揺らした。華麗なループシュートの前に相手GKのマービン・ヒッツはノーチャンス。観客もただただ目を丸くするだけだった。

キャプテンのソクラティスは「本当に見事なシュートだった」と称賛。シュートの軌道を卓球のジェスチャーで再現しながら「典型的なジャパニーズスタイルだったね」と笑った。夢心地のループシュートは技巧派の香川にとって得意技の一つ。一昨シーズンのシャルケとの“ルール・ダービー”でも同じようなポジションから先制点を決めている。

すぐにそのシーンを思い出したというゴンザロ・カストロは、「僕らは彼がどれだけの力を持っているか分かっている。だからこそ、ゴールが決まって良かった」とコメント。ペーター・ボス監督も「最初はあれがループシュートなのか、味方へのパスなのか分からなかったが、あれが彼のクオリティだ。狙ったことを思いどおりにできる」とそのテクニックを称賛した。

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サポーターの心をつかんだ鮮烈なダービーデビュー

香川がサポーターの心をがっちりつかんでいるのは、こうした特別な瞬間を生み出すことができるからだろう。お馴染みの“カーガワ・シンジー”の大コールは、敵地アウクスブルクでも鳴り響いていた。

2010/11シーズンにドルトムントに加入した香川は、すぐさまサポーター人気を不動のものとした。第4節に敵地で迎えたルール・ダービーでいきなりドッペルパックを記録。チームに先制点と2点目をもたらす衝撃のダービーデビューで3ー1の勝利に貢献した。その後、足を骨折してシーズン後半戦を棒に振ったものの、ブンデスリーガ1年目で18試合出場8ゴール。最終節には戦列復帰を果たし、リーグ優勝の歓喜の輪に加わった。

翌2011/12シーズンは13ゴールを挙げてリーグ連覇に貢献。第32節のメンヘングラートバッハ戦で香川が優勝を決定づけるゴールを決めた。また、このシーズンはドイツサッカー連盟カップも制し、国内2冠を達成。香川は決勝戦で3分に先制点を奪い、バイエルン・ミュンヘンを5ー2で撃破した。

レギュラー奪還へ最高のアピール

その後は海を渡り、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)で2シーズンを過ごしたが、2014年夏にドルトムントへ電撃復帰。フライブルクとの復帰初戦でいきなりゴールを挙げ、すぐにチームの主力に返り咲いた。

昨季は21試合で1ゴールと不本意なシーズンを過ごしたが、今季は5試合の出場で早くも2ゴール。日本人選手の歴史を塗り替えた芸術的なループシュートは、レギュラー奪還を目指す香川にとってこれ以上ないアピールになったはずだ。