Summary
- ドルトムントがリーグ史上最高の完成度で首位を快走
- 今季の得点王争いはハイスピードな展開に
- レーバークーゼンのアラリオが鮮烈デビュー
攻守ががっちり噛み合ったドルトムントがまた一つ新たなリーグ記録を樹立した。一方、王者バイエルン・ミュンヘンはまさかのドローで3位に後退。6連覇へ向け、雲行きが怪しくなっている。デジャブのような展開から見慣れない出来事まで……第6節の5つのトピックスを紹介する。
1)ドルトムント攻撃陣の恐るべき破壊力
首位ドルトムントがマクシミリアン・フィリップの2得点、ピエールエメリック・オバメヤンのハットトリック、ユリアン・ワイグルのブンデスリーガ初ゴールでメンヘングラートバッハ(ボルシアMG)を6ー1で粉砕した。第6節終了時点に奪ったゴールはすでに「19」。さらに、守ってもここまでわずか1失点と鉄壁の守備を誇っている。得失点差「+18」は、第6節終了時点でのブンデスリーガ新記録だ。
すでに今季8ゴールと2年連続得点王に向けて視界良好のオバメヤンを中心に、フィリップ、クリスティアン・プリシッチ、新加入のアンドリー・ヤルモレンコらが強力な3トップを形成。その破壊力はマーコ・ロイスとアンドレ・シュアレをケガで欠いていることを忘れてしまうほどだ。ケガ人が復帰する頃にはペーター・ボス監督の戦術もより一層浸透しているはず。ドルトムント攻撃陣がどこまで突き抜けるのか注目だ。

2)バイエルンが指定席から陥落…
ここ数シーズン、首位という指定席に居座り続けたバイエルンが、ドルトムントとホッフェンハイムにその座を追われた。成績不振で監督交代に踏み切ったばかりのウォルフスブルク相手に、ホームで2点のリードを守れず痛恨のドロー。3位に後退している。
マヌエル・ノイアーの不在が響いているとはいえ、第6節終了時点で3位以下に甘んじるのは2010/11シーズン以来7年ぶり。このシーズンは最終的にドルトムントの後塵を拝し、3位に終わっている。首位を快走するドルトムントには直接対決で散々手を焼いており、2位ホッフェンハイムには第3節で今季初黒星を喫した。今季の“バイエルン包囲網”は一味違うようだ。

3)ホッフェンハイムが築いた難攻不落の地
ホッフェンハイムがホームでシャルケを下して2位に浮上した。試合終盤まで1ー0の接戦だったが、後半アディショナルタイムに追加点を挙げて勝ち点3を獲得。2点ビハインドから逆転勝利を飾った前節のマインツ戦に続き、粘り強い戦いで着実に勝ち点を積み上げている。
第6節終了時点で勝ち点「14」はクラブ史上最高の成績。そんな好調なチームを支えるのが、ホームでの安定した戦いぶりだ。ホッフェンハイムは現在、ホームゲームで21試合連続無敗。2015/16シーズンの最終戦で敗れたのを最後に1年以上勝ち点を獲得し続けている。ライバルたちは今後、この「難攻不落の地」の攻略に頭を悩ませることになりそうだ。

4)お馴染みの顔ぶれが繰り広げるハイスピードの得点王争い
オバメヤンがボルシアMG戦でハットトリックを達成し、得点ランキングのトップに浮上。今季の得点王争いは8得点のオバメヤンを、7得点のロベルト・レバンドフスキ(バイエルン)、5得点のティモ・ウェアナー(ライプツィヒ)が追う展開となっている。
今夏にケルンを退団したアントニー・モデステを除けば、上位陣は昨季と同じの顔ぶれだが、今季はゴールの積み上げが超ハイスピード。第6節終了時点で上位3選手の合計得点が「20」に達するのは、過去40年で2度目のことだ。
また、4位以下にはマシュー・レッキー(ヘルタ・ベルリン)、マーク・ウト(ホッフェンハイム)、フィリップ(ドルトムント)、マーティン・ハーニク(ハノーファー)、アルフレズ・フィンボガソン(アウクスブルク)、ケビン・フォラント(レーバークーゼン)の6人が4得点で並んでいる。この中から“いつものメンバー”の牙城を崩す点取り屋は現れるのだろうか?

5)アラリオがクラブに報いるデビュー戦ゴール
国際サッカー連盟(FIFA)からようやく移籍の承認が下り、晴れてレーバークーゼンの一員となったルーカス・アラリオがハンブルガーSV戦で先発デビュー。23分に移籍後初ゴールを挙げると、83分にはフォラントのダメ押し弾をアシストしてチームに今季2勝目をもたらした。
移籍に難色を示していたリーベル・プレート(アルゼンチン)と粘り強く交渉を続け、アラリオの獲得にこぎつけたレーバークーゼンにとっては、これまでの苦労が報われた格好だ。アルゼンチンから遅れてやって来た24歳のストライカーは、不振が続くチームの救世主となれるか?
