Summary

  • バイエルンの主将ラームが自身8度目のリーグ制覇
  • 後半戦好調のブレーメンが6位に浮上
  • シャルケのオーストリアコンビが大活躍

バイエルン・ミュンヘンが3試合を残してリーグ史上初の5連覇を達成。これで王者の席は埋まったが、それ以外の争いは依然として順位が目まぐるしく入れ替わる大混戦となっている。次節は欧州チャンピオンズリーグ(CL)のストレートインを懸けた4位ドルトムントと3位ホッフェンハイムの一戦を始め、欧州リーグ(EL)の出場権争い、残留争いと、直接対決が目白押し。各チームの明暗が分かれそうな第32節の前に、第31節のトピックス5つをおさらいする。

1)ラーム、歴史的快挙とともに現役生活にピリオド

今季限りでの引退を表明しているバイエルンの主将フィリップ・ラームが、自身8度目のブンデスリーガ制覇を成し遂げた。通算8度の優勝はオリバー・カーン、メーメット・ショル、バスティアン・シュバインシュタイガーに次いで史上4人目。そうそうたるレジェンドたちと肩を並べた。

バイエルンは過去に2度優勝を決めている縁起のいいスタジアムで大量6ゴールを奪って完勝。ラームは試合後、「最終節にキャプテンとしてマイスターシャーレ(優勝皿)を空に掲げたら、間違いなくまた感情が溢れるだろうね」とキャリアの締めくくりとなる日を想像していた。

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2)音楽隊の街に生まれたドリームコンビ

第20節からの10試合を8勝2分けで駆け抜けてきたブレーメンの勢いは今節も健在だった。アウェー8連敗中のヘルタ・ベルリンを相手に2ー0の快勝。ついにEL出場圏内の6位に浮上した。

ヘルタ戦で輝きを放ったのが、開始15分までに2点のリードをもたらしたマックス・クルーゼとフィン・バーテルスのコンビ。クルーゼの見事なパスを受けたバーテルスがGKの股間を抜くシュートで9分に先制点を挙げると、その6分後にはゴール前でフリーになったクルーゼがバーテルスのアシストから難なく押し込んで2点目。両選手の息の合ったコラボで早々に試合を決めた。

ブレーメンが直近11試合で積み上げた勝ち点は「29」。開幕から降格の危機と向き合い続けてきたチームとは思えないV字回復で、EL出場権を自力で手に入れられるところまできた。「EL出場という新しい目標を立て、それに向かって燃えているチームを誇りに思う」。これまで控えめな発言に終始していたアレクサンダー・ヌーリ監督も、選手たちの頑張りにエールを贈っている。

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3)シャルケを支えるオーストリアンパワー

激しいアップダウンの波の中にいるシャルケが、レーバークーゼンに4ー1の快勝を収めてEL出場権獲得に望みをつないだ。この一戦で目を引く活躍を見せたのがアレサンドロ・シェプフとギド・ブルクスタラーのオーストリア出身コンビ。ブルクスタラーが先制点と4点目を決めれば、シェプフも2点目のアシストと3点目をマーク。チームの全4ゴールにオーストリアンパワーが絡んだ。

10位に浮上したシャルケと6位ブレーメンとの勝ち点差は「4」。決して小さくない差だが、シャルケの得失点差「+7」という成績は、最終局面で有利に働く可能性がある。この冬に2部のニュルンベルクから加入し、すぐさま欠かせない選手となったブルグスタラーは、「うまい選手と練習していれば自分も常に成長できる。シェプフのセットプレーは完璧だよ」と、同胞とのコンビに自信をのぞかせた。

4)生き残りを懸けた戦い、今節の勝ち組は…

熾烈な残留争いが続く中で、今節はアウクスブルクダルムシュタットが“勝ち組”となった。アウクスブルクは同じく残留を争うハンブルガーSVとの直接対決で4ー0の大勝。昇降格プレーオフに回る16位から一気に13位へと順位を上げた。ベテランのハリル・アルティントップがドッペルパック(1試合)を達成すると、フィリップ・マックスがブンデスリーガ初ゴールを含む1ゴール2アシスト。これにはマヌエル・バウム監督も、「我々はどんな相手にでも勝てるということを見せつけられたと思う」と土壇場でのチーム力を称えた。

一方のダルムシュタットは、「引き分け以下で降格」という瀕死の状況にさらされながらも、好調フライブルクに3ー0の快勝を収めて前節に続く延命に成功。シーズン途中からチームの指揮を執るトーステン・フリンクス監督は「すべてがうまくいった」と表情を緩めた。残り3試合で16位ハンブルクとの勝ち点差は「9」。絶望的な状況に変わりはないが、ダルムシュタットは驚異の粘りで奇跡の残留を目指す。

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5)お帰り、ズボティッチ!

ドルトムントとケルンの一戦は、ゴールという見せ場こそなかったが、ブンデスリーガの歴史に残る感動的な試合となった。主役を演じたのはこの冬に期限付き移籍でドルトムントからケルンに加入したDFネベン・ズボティッチ。試合終了後、“黄色い壁”と称されるジグナル・イドゥナ・パークの南側スタンドへゆっくりと歩み寄ると、ドルトムントのサポーターから大コールを浴びた。

2008年から今冬までドルトムントで192試合に出場してきたズボティッチは、この一戦を前にFacebookで「僕らの深い友情を90分だけ忘れることを怒らないでほしい」とつづっていた。ズボティッチが試合に全力を注ぐ選手であることは、ドルトムントのサポーターなら誰でも知っている。それに対して怒るような人間はいるはずもなかった。「こんな歓迎と歓声を受けた人物は、デデとクロッポ(ユルゲン・クロップ)ぐらいしか記憶にない。自分もそれに加われるなんて本当にうれしい」。ドルトムントサポーターの心に生き続ける2人と肩を並べたことに、ズボティッチは感無量の様子だった。

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