Summary

  • 新生ドルトムントの鍵を握るワイグル
  • ケガで序盤戦を欠場するも昨年9月に戦列復帰
  • シュテーガー監督の下で本領を発揮

レアル・マドリードのドイツ代表MFトニ・クロースはかつて、「ユリアン・ワイグルはワールドクラスの選手になるだろう」と予言していた。実際に、ワイグルはドルトムントの“心臓”として年齢以上に成熟したプレーを披露。サポーターはその成長ぶりを楽しみに見守っている。

2013/14シーズンに1860ミュンヘンで頭角を現した時、ワイグルが大きなポテンシャルを秘めた選手であることは誰の目にも明らかだった。同クラブで育ったラース&スベンのベンダー兄弟と良い意味で比較され、翌2014/15シーズンにはクラブ史上最年少でキャプテンに就任。ところが、チームメートと一緒に無分別な夜遊びをしたことが発覚し、リカルド・モニス監督によってその資格を剥奪されてしまう。

ツォルクSDが認めた潜在能力

しかし、この事件の後もワイグルに対する高い評価は変わらなかった。そして2015年夏にドルトムントがワイグル獲得に成功。ミヒャエル・ツォルクSDは入団会見の席で、「我々の中盤の未来を担う選手だ。大きく成長する能力があると信じている」と期待を寄せた。

当時のドルトムントにはヌリ・シャヒン、スベン・ベンダー、ゴンザロ・カストロ、イルカイ・ギュンドアン、ケビン・カンプルと中盤にタレントがそろい、ワイグルの出場機会はほとんどないだろうと思われていた。しかし、カンプルのレーバークーゼン移籍とギュンドアン、シャヒンの負傷離脱によって、すぐに出場機会に恵まれることになる。

経験があろうがなかろうがやるしかないーー。そんな状況に放り込まれながら、ワイグルは重圧に潰されることなくすぐに実力を証明してみせた。最初のシーズンでブンデスリーガ30試合に出場(うち25試合は先発)し、パス成功率もリーグ上位の92%を記録。スーパースター誕生と呼ぶにふさわしいスタッツを残した。

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論理的な決定

2016年夏には同様に活躍したヨシュア・キミッヒ(バイエルン・ミュンヘン)とともに欧州選手権を戦うドイツ代表メンバーにサプライズ招集された。2016年12月にはクラブとの契約を2021年まで延長。本人はこの決断について「契約延長は僕にとって論理的な決定だった。深く考えることもなかった」と話している。クラブにとってもこの契約延長は非常に「論理的」だったに違いない。ツォルクSDは「ワイグルは成長し始めたばかりだ」と話し、その潜在能力をさらに発揮してくれることを期待した。

2016/17シーズンもピエールエメリック・オバメヤン、ウスマン・デンベレに次いでチーム3番目となる30試合に出場。しかし、シーズン終盤に足首を骨折して2017/18シーズンの序盤を欠場することになる。

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中軸としての役割

ワイグルは9月24日に戦列復帰を果たしたものの、前半戦のパフォーマンスはチームの成績と同様に好不調の波を感じるものだった。それでも、12月半ばにペーター・シュテーガー監督が就任すると完全復調。新監督が採用する4ー1ー4ー1システムで、攻撃と守備をつなぐアンカーとしてチームにリズムを生み出している。監督交代以降はチームも3試合で勝ち点7を獲得。さらなる成長を遂げたワイグルは熱心なサポーターを満足させている。

ドルトムントが来季の欧州チャンピオンズリーグ出場権を獲得し、再びブンデスリーガでタイトル争いを演じる上で、ワイグルの無尽蔵の才能は必要不可欠だ。

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