Summary

  • バイエルンがハインケス新監督の下で復調
  • 監督交代後は連続完封で公式戦2連勝
  • ハインケス監督は攻守に完璧を求める

ユップ・ハインケス新監督を迎えたバイエルン・ミュンヘンがブンデスリーガ第8節のフライブルク戦、欧州チャンピオンズリーグ(CL)のセルティック(スコットランド)戦で2連勝を飾った。まだ本来の強さを完全に取り戻したわけではないが、軌道修正は順調に進んでいるようだ。

新監督の初陣となったフライブルク戦では5ー0の完勝。5点差をつけての勝利は長くバイエルンを指揮してきたハインケス監督にとってもキャリア初のことだった。指揮官は「2ー0とした後も次のゴールを狙っていたのは良かった」と貪欲にゴールを狙い続けた選手の姿勢を評価した。

この試合で5点目を決めたヨシュア・キミッヒは、「このチームには常にゴールを決められるクオリティが備わっている」と振り返るが、最近はその得点力が鳴りを潜めていた。リーグ戦では2試合連続で2点のリードを守れ切れず引き分け。攻守のバランスにほころびが生じていたのは明らかだった。

それでも監督交代後は2試合連続で無失点を記録。マッツ・フメルスも「不用意にチャンスを与えてはいけないということをしっかり認識して、それを実践できた」と納得の表情だった。

© DFL DEUTSCHE FUSSBALL LIGA / Thomas Niedermueller

ハインケス監督「サッカーの基本は無失点」

フライブルク戦ではぼぼ完璧に相手の攻撃を沈黙させたが、前半には2度のビッグチャンスを作られている。これについて指揮官は、「ビルトアップ時にパスミスをしたことでチャンスを与えてしまった。まずはしっかりと守って無失点に抑えること。これはサッカーの基本だ」とより完璧な守備を目指している。

鉄壁の守備を取り戻すためのカギは全員の意識を高めることだが、フメルスは監督と選手の間で目指す方向性が一致していると強調する。「DFだけで無失点に抑えたわけじゃない。他の選手も一緒にやった結果だ。全員の力を必要とするのが本当にいいチームなんだ。監督も同じ考えだし、そのことははっきりと言われている」

ハインケス監督の就任からまだ間もないが、フメルスは練習の様子をこう語っている。「監督はとても高いレベルを要求してくる。ここまでは満足しているみたいだけど、細かく指示を出しながら鼓舞してくれるんだ。僕らにとってはとてもやりやすい」

キミッヒも老将の存在感を実感しているようだ。「監督は物静かだけど、彼が話を始めるとみんなが耳を傾ける」。ハインケス監督は選手一人ひとりと話す機会を設け、選手たちの人となりを知るだけでなく、チーム内で期待される役割についても伝えているという。

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守備のカギはスペイン人ダブルボランチ

ハインケス監督が選手とのコミュニケーションを重視していることは、試合中の態度からも見て取ることができる。フライブルク戦ではキングスレイ・コマンが2点目を決めた際にハビ・マルティネスを呼び寄せて耳打ちしていた。

マルティネスは4年半前のハインケス前政権時にもプレーしていた5人のうちの1人。カルロ・アンチェロッティ前体制下では主にセンターバックでプレーしていたが、ハインケス監督は当時と同じようにマルティネスを6番のポジション(ボランチ)で起用。フメルスはその理由について、「相手の攻撃の芽を摘んでくれるから、あの位置がとても合っていると思う」と代弁する。

フライブルク戦では同じスペイン人のティアゴ・アルカンタラがマルティネスとコンビを組み、チームトップの走行距離と対人勝率をマークしながら今季初ゴールも挙げた。今季ベストのプレーを見せたティアゴは、チーム全体のパフォーマンスに満足した様子だった。「かなり久しぶりにチームとして戦うことができた。これはメンタルの問題だと思う」

「ハインケスは経験を積んできた監督。僕らにどうサッカーを理解すべきか教えてくれる」。ブンデスリーガ6連覇を目指す王者が、チームを知り尽くした名将の下で再び正しく動き出した。

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