ザンクト・パウリに所属する宮市亮が10月22日に行われたブンデスリーガ2部第10節のデュイスブルク戦で先発に名を連ねた。代表ウィークを挟んでこれで2試合連続の先発出場。63分に左足をつって途中交代したが、大ケガから復帰して以降少しずつ完全復活への道を進んでいる。

この試合では32分に相手選手と交錯、右ひざを抱えてピッチに倒れ込んでヒヤリとさせたが、本人は試合後、「あれはちょっと休もうかなって(笑)」と無邪気な表情を見せた。ヘディングシュートの直後に左足を痛めて交代を余儀なくされたシーンについても「ジャンプして着地した瞬間にふくらはぎをつっちゃって」と大事には至らなかったことを強調。まだどうしてもケガのイメージが付きまとうが、宮市の爽やかな笑顔にケガへの不安は一切感じられなかった。

「恐怖は全くない。むしろケガをさせてやるぐらいの意気込みで今はやっています(笑)。ケガに対しての怖さは全然ないので、本当にコンディションだけですね」

宮市はこれまで常にケガと隣合わせのキャリアを送ってきた。2015年夏に加入したザンクト・パウリでは加入直後に左ひざ前十字じん帯を断裂し、約9カ月の離脱を余儀なくされている。2016年4月に復帰したものの、2017年6月に今度は右ひざの前十字じん帯を断裂。約10カ月の離脱を経て復帰間近となった今年4月にはまたも右ひざ前十字じん帯を負傷する悲劇に見舞われた。

それでも日本での検査の結果、3度目の悪夢は免れて7月に実戦復帰。9月21日に行われた第6節のインゴルシュタット戦でようやくピッチに戻ってきた。70分から途中出場し、約1年4カ月ぶりの公式戦復帰を果たすと、その12分後に約2年4カ月ぶりとなるゴールを記録。チームを勝利に導いて華々しいカムバックを果たした。

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それから1カ月が経ち、現在は2試合連続先発出場中。どちらの試合もまだフル出場は果たせていないが、今は90分戦えるフィジカルコンディションを手に入れるべく少しずつ前進している。

「100パーセントに持っていくには、あともう2試合ぐらいは必要なのかなと思います。そこは通らないといけない道なので、練習でも100パーセント以上のものを出してフィットネスを上げていかないといけない。試合前のケアも試合後のケアもいろいろと念入りにやっている。準備してきたものが試合にも出ると思うので、そこは徹底していますね。それでも今はまだフィットネスが上がっていないので、時間との戦いですね」

宮市の復帰をきっかけにチームは上昇気流に乗った。前述のインゴルシュタット戦で宮市の決勝点によって連敗を「3」で止めると、ここ5試合で4勝1分けと無敗をキープし、順位も11位から一気に3位まで浮上した。「あそこ(インゴルシュタット戦)の勝利が大きかった。チーム内での競争も激しいし、そこが負けなしの要因の一つかなと思います」

宮市の存在がチームを活性化しているのは間違いない。あとは自分自身がいかに試合で貢献できるかだ。「前半の動きを90分通してやれたら、チームにとってもっとプラスになるんじゃないかなと思います」。宮市亮の完全復活が好調ザンクト・パウリのさらなる起爆剤になるはずだ。

文=湊 昂大