久保裕也が初挑戦のブンデスリーガで苦しんでいる。今夏に昇格組のニュルンベルクに加入してコンスタントに出場機会を得ているものの、まだ目に見える結果を出せていない。第11節のシュトゥットガルト戦では加入後初のベンチ外と新天地で正念場を迎えている。

ベルギーのヘントから期限付きでドイツにやって来た久保は、チーム合流直後の開幕戦でいきなり先発出場。初戦で初得点を予感をさせるパフォーマンスを披露してインパクトを与えた。その後も攻撃のリズムを生み出すキーマンとしてレギュラーに定着すると、第4節のハノーファー戦では追加点の起点となって今季初白星に貢献。初挑戦のブンデスリーガで順調な滑り出しを見せていた。

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しかし、開幕4試合にフル出場しながら、ブンデスリーガ初ゴールが遠い。本人も「試合に使ってもらっていることはすごくありがたいので、その中で早くチャンスをモノにしたい。今後も使われるかどうかは、自分が決められるかどうか次第だと思います」と、指揮官の期待に応えられないことに危機感を募らせていた。

第5節のドルトムント戦にも先発出場したが、チームが守備に徹する戦い方を選択したこともあって攻撃のチャンスは数えるほど。唯一CKから決定機を迎えたが、結果を出すことはできなかった。チームは何もできないまま0-7で大敗。この試合を機に久保の出場機会も安泰ではなくなっていった。中2日で行われた第6節のフォルトゥナ・デュッセルドルフ戦では移籍後初のベンチスタート。その後は先発とベンチスタートを繰り返す日々が続いた。

「やっぱり切り替えや一対一の局面は激しいので、そこに慣れていく必要がある」。スイスやベルギーで結果を残してきた久保も、一段レベルが上がるブンデスリーガの厳しさを痛感している。チームが残留最優先の昇格組であればなおさらだろう。これまでは残留争いと無縁のチームでプレーしてきたが、現在15位のニュルンベルクでは攻撃はもちろん、守備面でも今まで以上のハードワークが求められる。

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今季2度目の出番なしに終わった第10節のアウクスブルク戦後、ミヒャエル・ケルナー監督は久保の状況を次のように説明した。「新加入選手が我々のチームに加わるのは簡単ではない。チームには独自のプレースタイルがあり、溶け込むには忍耐が必要だ。ユウヤは最初の数週間は良かったが、今は少し調子を落としている。でも彼の頭の中はクリアだし、素晴らしい人間性を持っている。浮き沈みがあることも理解している」

第11節のメンバー外の理由は「軽傷」だったが、指揮官が言うように「調子を落としている」ことも無関係ではないだろう。それでもケルナー監督は「今回の代表ウィークを使って調子を取り戻し、また活躍できるように頑張ってほしい」と変わらぬ期待を寄せた。主将のハノ・ベーレンスも「本調子のユウヤは信じられないほど良い選手だ。こういう時期もある。彼はまだドイツに来て間もないしね。彼が早く100パーセントに戻ってくれることを願っているよ」とエールを贈った。

指揮官やチームメイトからの期待に応えるには結果を出すしかない。代表ウィーク中に行われたテストマッチではゴールを決め、レギュラー復帰へのアピールに成功した。あとは本番で一発回答を出し、自信を重ねていくだけ。これまで自身の実力を見極めつつ、堅実にステップアップを果たしてきた久保ならば、ブンデスリーガでも通用することを証明できるはずだ。

文=湊 昂大