Summary

  • W杯黒星発進のドイツがスウェーデン戦で劇的勝利
  • ケガに泣かされ続けたロイスがW杯の舞台で躍動
  • 決勝弾の裏にロイスとウェアナーの好判断あり

ワールドカップ連覇を狙うドイツがスウェーデン戦で今大会初勝利を飾った。チームを敗退の危機から救ったのは決勝ゴールを挙げたトニ・クロースだけではない。マーコ・ロイス(ドルトムント)とティモ・ウェアナー(ライプツィヒ)の貢献がドイツに貴重な勝ち点3をもたらした。

クロースの一言が劇的なFK弾を呼び込む

ドイツは1-1で迎えた後半アディショナルタイム5分に敵陣左サイドでFKのチャンスを得た。ボールの前に立ったのはクロースとロイスの2人。ここでクロースは少し離れたロイスにボールを預けてポイントをずらし、起死回生の勝ち越し弾へとつなげた。「ものすごいゴールだった。トニのシュートテクニックが発揮されたね。彼のシュートはワールドクラスだ」。劇的ゴールに絡んだロイスは興奮気味にそう振り返った。

実はこの場面でロイスは直接ゴールを狙うことを考えていたという。しかし、そんなロイスにクロースが耳元でささやいた。「なるほど。でも、僕はそれ(直接狙ってゴールが決まる確率)に信頼を置くことができない……」。ロイスはこの一言で考えを改め、結果としてクロースの決勝ゴールが生まれた。

© gettyimages / Alexander Hassenstein

6年越しの先発で下ろした重荷

ヒーローの座はクロースに譲ったが、ロイスの貢献なしにドイツの勝ち点3獲得はなかった。伏線はあった。メキシコとの初戦では途中出場してチームの攻撃を活性化。多くのご意見番、識者から先発起用を推す声が挙がった。そしてスウェーデン戦で先発に抜擢されると、1点ビハインドの48分に反撃ののろしを上げる同点弾を決めた。

キャプテンのマヌエル・ノイアーは、「(リードされた後)すぐに1-1にしてゲームを振り出しに戻せたことが大きかった」とロイスの一発を称えた。大会前に「ロイスは大事な試合で使う」と明言していたヨアヒム・レーフ監督は、まさに大一番で“ロケット”に着火した。

ロイスは「ホッとした」と胸の内を語った。チームはもちろん、自身にとっても大きな重圧から解放された一戦だった。ケガで前回大会と2年前の欧州選手権を棒に振り、国際大会では2012年の欧州選手権以来となる先発出場。重くのしかかっていたプレッシャーを6年越しでようやく下ろすことができた。

© gettyimages / Nelson Almeida

決勝弾を呼び込んだウェアナーの好判断

決勝点につながるFKを獲得したティモ・ウェアナーも勝利に一役買った選手の一人だ。クロースは「ティモが左サイドを走れば誰も追いつけない」とスピードが武器の22歳を称えている。

センターフォワードとしてプレーした前半は、相手にスペースを消されて効果的な働きができなかった。しかし、ポジションをサイドに変えたことで持ち味のスピードが生きた。本人も「ペナルティーエリア内にボールを持ち込むことができなかったからサイドから仕掛けてみた。これで今日はぐっすり眠れそうだよ」と自身のパフォーマンスに納得した様子だった。

ロイスとウェアナーの2人に共通するのはチームのために動いたということ。フォア・ザ・チームの精神がドイツの決勝トーナメント進出の望みをつないだ。

© gettyimages / Alexander Hassenstein