Summary

  • バイエルンは「ラームの後釜探し」という問題に直面
  • 後継者候補はラフィーニャ、ルディ、キミッヒの3名
  • バイエルンとアンチェロッティ監督の決断は?

ブンデスリーガの優勝を祝った翌日をどう過ごすか——。フィリップ・ラームには明確なプランがあった。「息子を幼稚園に連れて行き、自分のロッカーを片づける。それに明日は母の誕生日でもあるんだ」。彼は“元”プロサッカー選手としての初日を、ほぼ家族と過ごす時間に充てた。また、フランク・リベリからは「必要なら来季のシーズンチケットを買ってあげようか」との申し出もあり、来季は家族とともにスタンドから試合を見守るのかもしれない。

バイエルン・ミュンヘンのキャプテンを務めていた元選手が、自身の将来について明確なプランを持っている一方で、所属していたクラブは引退した選手の代わりを誰にするかという大きな課題に直面している。もっとも、問題が未解決だからといって彼らを責めることはできない。クラブのレジェンドの代わりなどそう簡単に見つかるものではないからだ。とはいえ、後継者候補についてはすでに何人か目星がついている。その候補者たちの可能性を探っていく。

ラフィーニャ:献身的な代役

バイエルンに加入して以来、ラフィーニャは辛抱強く待ち続けたが、それもようやく終わりの時がきたようだ。先日行われた当サイトのインタビューでは、「来季は僕のシーズンになる。自分以外の選手が右サイドバックでプレーをしているとは考えられない」と語っている。シャルケ時代よりも守備面での信頼度が増し、本人が「試合に出た時はいつもいいプレーができていた」と語るように継続性も身につけた。何より、彼はロッカールームのリーダーでもあるという。

プラス面:経験豊富で右サイドバックの専門家というのも大きな利点。ラームと同じタイプとは言えないが、前方でプレーするウインガーとも理解し合える。

マイナス面:今年9月で32歳となり、中長期的な意味でラームの後継者とはなり得ない。また、これまでロッカールームのリーダーとして振る舞ってきた彼がラームの後釜になれなかった時に、その役割を継続できるかどうかも疑問が残る。

© DFL DEUTSCHE FUSSBALL LIGA

ヨシュア・キミッヒ:選ばれし者?

ドイツ代表のヨアヒム・レーフ監督は、「バイエルンが将来的にキミッヒを右サイドバックで起用するのなら、それは素晴らしいことだ」と語っている。レーフ監督はバイエルンよりも前から「ラーム不在」という問題と向き合い、キミッヒに後継者としての素養があることを認めている。バイエルンのカールハインツ・ルンメニゲCEOも、「彼がフィリップ・ラームの後を継ぐ選手になるであろうことははっきりしている」とコメントしている。

プラス面:右サイドバックとしてのキミッヒのパフォーマンスは、ラームの後任となり得るレベルに達している。1試合平均走行距離はチームナンバーワンの12.3km、試合によってはCKのキッカーも任されている。つまり、キミッヒはチームのエンジンであり、サイドから正確なボールを入れることも可能なのだ。

マイナス面:ラフィーニャと違い、右サイドバックのスペシャリストではないこと、さらに本人がサイドバックでのプレーを必ずしも望んでいないことは懸念材料だ。ただし、ラーム自身もシュトゥットガルトからバイエルンに復帰した当時は右サイドバックではなかった。アンチェロッティ監督がより堅固なディフェンスラインを望むのならコンバートを躊躇するべきではない。

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ゼバスティアン・ルディ:新加入選手

この夏にホッフェンハイムから加入することが決まっているゼバスティアン・ルディはDFから中盤、そしてまたDFと、これまでのキャリアで何度もポジションを変えてきた選手であり、右サイドバックとしてプレーすることも可能だ。ただし、ユリアン・ナーゲルスマン監督はシーズンを通してルディを中盤で使い続けた。3ー5ー2システムでは伝統的なサイドバックの役割がないということもあるが、ルディは中盤でこそ力を発揮するタイプだと判断したからだろう。

プラス面:ラームと同様に好不調の波が少なく、常に安定したパフォーマンスが期待できる。セットプレーの場面で証明してきたようにキック精度が高く、自らゴールを決める能力も備えている。

マイナス面:まず右サイドバックの役割を熱望しているようには思えない。また、バイエルンはシャビ・アロンソの穴も埋めなければならず、ルディをサイドバックで起用してしまうと、彼が中盤で見せてきたパスレンジの広さやハードワークを無駄にしてしまう可能性がある。

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結論:キミッヒが一歩リード!

本人が右サイドバックを好んでいるかどうかにかかわらず、現状ではキミッヒがラームの後継者になるべきだろう。右サイドバックをこなす能力があり、戦術理解度も高い。プロ選手としての姿勢も素晴らしい。何より、彼はこれまでも右サイドバックでプレーできることを示してきたし、そのプレーには伸びしろも感じられる。キミッヒこそがバイエルンとレーフ監督にとっての“解決策”だろう。