今季はリーグ戦でわずか1ゴール。それでもバイエルンにおけるミュラーの存在価値は大きい - © © imago / GEPA pictures
今季はリーグ戦でわずか1ゴール。それでもバイエルンにおけるミュラーの存在価値は大きい - © © imago / GEPA pictures

ミュラーが示した存在価値

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バイエルン・ミュンヘンは2月25日のハンブルガーSV戦で大量8ゴールを奪った。しかし、チームがゴールラッシュに沸く中、得点者のリストにあるべきはずの名前がなかった。今季ゴールに見放されているミュラーだ。ブンデスリーガではここまでわずか1ゴールと苦しみ、ハンブルク戦でもゴールネットを揺らすことはできなかった。だが、カルロ・アンチェロティが「勝利のカギ」になった選手として試合後に名前を挙げたのはミュラーだった。

おのずとゴールは生まれる

2点リードで迎えた42分にロベルト・レバンドフスキが決めたゴールは、ミュラーの全力プレーから生まれたものだった。アリエン・ロッベンのロングパスにゴールラインぎりぎりで追いついて折り返し。ドグラス・コスタが放ったシュートのこぼれ球がゴールに結びついた。ミュラーにスコアポイントはつかなかったが、このゴールに限らず彼の貢献度は数字では計れないところにある。

ハンブルク戦でマークした走行距離は11.07km。指揮官はチームの誰よりも走った背番号25に対し、「ベストプレーヤーはトーマス・ミュラーだった。たとえゴールがなくてもね」とこれ以上ない賛辞を送った。また、カールハインツ・ルンメニゲ社長は「ミュラーの今季ベストゲーム」とまで言い切っている。

「またしてもゴールは決まらなかったけどそこは気にしていない。いつか自然と生まれるはずだから」。試合後、笑いながらそう話すミュラーの表情には満足感がうかがえた。それもそのはず、ミュラーは前半の全3ゴールに絡み、チームに大勝を呼び込む原動力となった。アルトゥーロ・ビダルの先制点の場面では、絶妙な身のこなしからアシストを記録。レバンドフスキが決めた2点目もミュラーがファウルを受けて得たPKによるものだった。

- © gettyimages / Lars Baron