プレミアリーグのエヴァートンからブンデスリーガのヴェルダー・ブレーメンへ。今夏、実現した移籍の中で、最も重要な移籍の一つとの呼び声が高いのが、オランダ代表デイヴィ・クラーセン獲得だ。

1)42秒で結果を出した男

クラーセンは、アムステルダムの南東30キロメートルに位置するヒルフェルスムという街で生まれた。4歳でサッカーを始め、11歳の時に世界最高の育成クラブに数えられるアヤックス・アカデミーに入る。

オランダの年齢別の代表に選ばれるなど、サッカー選手として経験を積み、18歳になった2011年11月22日にはUEFAチャンピオンズリーグのリヨン戦にアヤックスのトップチームの一員として出場。そして、その5日後には、リーグ戦デビューを果たし、出場してからわずか42秒でゴールを決めた。

アヤックスのトップチームで鮮烈なデビューを果たしながら、活躍するまでには時間を要した © gettyimages / Anoek de Groot

2)エールディヴィジでは遅咲き

鮮烈なデビューを飾ったクラーセンだが、その後はレギュラー争いに苦戦し、なかなか出場機会に恵まれなかった。再び日の目を見たのが2013/14シーズン。12ゴール、4アシストの活躍を見せ、アヤックスの三連覇に貢献した。続くシーズンも8ゴール、12アシストの好成績を残し、一発屋ではない勝負強さを見せた。2015/16シーズンにはアヤックスのキャプテンとして活躍し、オランダ最優秀若手選手賞を受賞。

アヤックス時代の同僚ニクラス・モイサンデルとは、ブレーメンで再びチームメイトとなる © imago / VI Images

3)ヨーロッパリーグの決勝

2014年から、オランダ代表チームにも召集。2016/17シーズン、ヨーロッパリーグでアヤックスは決勝まで進み、クラーセンはチームの中心として国際的な大舞台でもを発揮できることを証明した。決勝戦ではマンチェスター・ユナイテッドに敗れたものの、エヴァートンへの移籍を決定付けることとなり、2017年にイングランドに活躍の場を移した。当時のエヴァートンの監督は、オランダ人のロナルド・クーマン。「彼は、熱心なタイプだし、彼のクリエイティブなプレーによって、我々はもっとゴールに近くなるだろう」と期待の高さを示した。しかし、エヴァートンはシーズン中に3度監督を交代し、新加入したクラーセンは出場の機会を得られず、プレミアリーグでの出場記録は7試合で止まり、活躍の場をブンデスリーガに求め、ブレーメンへの移籍を決意した。

オランダ代表のチームメイト、ロッベンともリーグ戦でまみえることになる © imago / Majerus

4)ヨハン・クライフ「クラーセンは、シャビやクロースのような選手」

オランダのサッカー界のレジェンド、ヨハン・クライフはアヤックスやバルセロナのスター選手。めったに選手を褒めないことで有名だ。

その彼が、「ポジション争いに強く、ボールコントロールに巧みで、テクニックがなければならないが、中盤ではスピードがなければ話にならない。そういうプレーができる選手は、シャビ、トニ・クロース、そしてデイヴィ・クラーセンくらい。クラーセンがアヤックスの中盤でプレーすると、攻撃のテンポが上がることにすぐに気づくだろう」と、インタビュー取材の中でクラーセンを絶賛した。

オランダサッカー界のレジェンド、ヨハン・クライフが絶賛するクラーセンの才能 © imago / VI Images

5)サッカーファミリー

デイヴィ・クラーセンの父ゲルト・ヤンもサッカー選手だった。「サッカーについての一番最初の記憶は、母と一緒に父の試合を見たこと。PKを見事に止めた父を見て、世界一のゴールキーパーだと思ったよ」と回想する。弟のアントンもサッカー選手で、SVハイゼン(フーフトクラッセ)でプレーしている。

動画:ブレーメンの新しいスター、デイヴィ・クラーセン