Summary

  • バイエルンのキングスレイ・コマンが好調をキープ
  • 第14節のハノーファー戦でチームを勝利に導く活躍
  • ハインケス監督の就任を機に本領を発揮

バイエルン・ミュンヘンのサポーターにとって、フランス人選手がサイドを駆け上がり、ワールドクラスのプレーで華麗に対戦相手をかわす光景は決して目新しいものではない。バイエルンの左サイドには過去10年以上にわたってフランク・リベリが君臨し、アリアンツ・アレーナのサポーターを沸かせてきた。そのリベリは第14節のハノーファー戦でケガから復帰し、クラブの外国籍選手最多出場記録を更新。しかし、この試合でより多くの喝采を浴びたのは、89分にリベリとの交代でベンチに下がったもう一人のフランス人選手、キングスレイ・コマンだった。

3ー1でリードした89分、コマンが交代でベンチに下がると、アリアンツ・アレーナにはスタンディングオベーションが巻き起こった。それにはリベリの復帰を祝う意味も含まれていたかもしれないが、ほとんどは素晴らしいパフォーマンスを見せたコマンへのの拍手だったに違いない。

試合終了後、ユップ・ハインケス監督はコマンに対して盛大な賛辞を送った。「素晴らしいパフォーマンスだった。バイエルンで成長している姿を見ることができてうれしい」。リベリも「素晴らしい仕事だったね」と祝福。自分のプレー時間を奪い、やがては自身の記録を更新するであろう13歳年下の後輩の活躍を喜んだ。

コマンはハノーファー戦で対峙するユリアン・コープを恐怖に陥れ、自ら決勝点となるゴールを記録。さらにはチーム3点目につながるPKを獲得してバイエルンを勝利に導いた。

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ヨシュア・キミッヒはコマンのプレーについてこう証言する。「彼がスプリントを始めたら誰も追いつけない。それは練習の時に僕自身が身をもって経験しているよ。連携プレーやクロス、シュートも上達している。得点を決めた時のファーストタッチは素晴らしかった」

コマンと同様、ハインケス監督の下で本来の姿を取り戻したトーマス・ミュラーも若きアタッカーを称賛する。「あの素晴らしいスキルは簡単に見つけられるものではない。素晴らしい馬力があるし、コマンがスピードを上げたら対戦相手は苦労することになる。左サイドでいいプレーをしていた。とにかく足が速いんだ。これで、得点につながるチャンスを作れるようになったら、バイエルンにとって最高の選手になるだろうね」

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ハインケス監督の就任以降、コマンは大躍進を遂げた。指揮官は練習中にコマンをピッチサイドに呼んでは、プレーを向上させるためのアドバイスを繰り返した。そうした密度の濃いトレーニングが素晴らしい結果を生んでいることはハノーファー戦のパフォーマンスを見てもよく分かる。

ハノーファー戦当日は気温が零度を下回ったが、アリアンツ・アレーナに詰めかけた7万5000人のサポーターは最高の気分を味わった。クリスマスシーズンに楽しむホットワインがなくても、コマンのプレーで身も心も温まったことだろう。