Summary

  • バイエルンが今冬の移籍市場でワーグナーとゴレツカを補強
  • 今季終了後に加入するゴレツカは移籍金ゼロでの獲得
  • バイエルンの歴代の“お買い得”選手を紹介

バイエルン・ミュンヘンは今冬の移籍市場でホッフェンハイムからドイツ代表FWのサンドロ・ワーグナーを補強、さらにはシャルケのドイツ代表MFレオン・ゴレツカをシーズン終了後に「移籍金ゼロ」で獲得することが決まった。有望な選手を見いだすスカウティング力と、その選手を手頃な価格で手に入れる交渉力…バイエルンが手にしてきた歴代の“お買い得”選手を紹介する。

レオン・ゴレツカ 移籍金:なし

選手の才能は移籍金の額やファンの態度で計られるものだが、ゴレツカの場合はシャルケサポーターの反応がすべてを物語っていた。シャルカーは今季前半戦を通してゴレツカを称賛し続けていたが、シーズン終了後に移籍金ゼロでバイエルンに移籍することが発表されると、直後に行われたハノーファー戦ではゴレツカに対して耳をつんざくようなブーイングや指笛が浴びせられ、その“騒音”は104デシベルにも達したという。シャルケに関わる人々にとってはマヌエル・ノイアーの流出に続く悪夢。一方、バイエルンのサポーターは遅れて届いた“クリスマスプレゼント”のように感じているに違いない。

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ゼバスティアン・ルディ 移籍金:なし

2017年1月、ホッフェンハイムから移籍金ゼロでルディを獲得することに成功したバイエルンのカールハインツ・ルンメニゲ社長は、「移籍金の高さだけが選手の価値だと考える人たちがいるが、ルディはそれが間違っていることを証明してくれるだろう」と話していた。ルディは持ち前の戦術理解度の高さでスムーズにチームに溶け込み、ユップ・ハインケス監督にとって欠かせない選手の一人となった。今月末には28歳とキャリアの全盛期を迎えるが、今後もバイエルンのためにその才能を費やしていくことだろう。

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ロベルト・レバンドフスキ 移籍金:なし

今やリーグを代表するストライカーとなったレバンドフスキの獲得にバイエルンは1銭も払っていない。しかも当時所属していたのが国内最大のライバルであるドルトムントだったにもかかわらずだ。2014年、バイエルンはドルトムントとの契約が切れそうになっていたレバンドフスキに対し、「君の未来は我々とともにある」と口説いてチームに招き入れることに成功した。恐らく、こんな説得ができるクラブはバイエルン以外にないだろう。移籍後はブンデスリーガ115試合で95得点と驚異的な数字を残し、数々の個人記録を打ち立てている。今年8月でようやく30歳になる移籍金ゼロの選手から、バイエルンは今後も大きな見返りを受け取ることになるだろう。

スベン・ウルライヒ 推定移籍金:350万ユーロ(約4.7億円)

シュトゥットガルトの正GKの座を捨て、バイエルンの2番手GKになることを選んだウルライヒは、移籍会見の席で「バイエルンがマヌ(ノイアー)のバックアッパーとして下手なGKを獲得することなどない。だから、こうやって契約ができたことを名誉に思う。これは正しいステップだ」と話していた。加入から2シーズンは我慢の時が続いたが、ノイアーが負傷離脱した今季はバックアッパーとして堅実なプレーを披露。本人が「天から贈りもの」と表現したチャンスを見事にモノにした。現在29歳、クラブとの契約は今季限りとなっているが、ハインケス監督はクラブにウルライヒとの契約延長を求めているという。

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ラフィーニャ 推定移籍金:550万ユーロ(約7.4億円)

ラフィーニャがブンデスリーガで活躍できることはシャルケに在籍した5年間で証明されていた。2011年夏、右サイドバックのラームのバックアッパーを探していたバイエルンがラフィーニャに白羽の矢を立てたのも当然だったと言える。当時のラフィーニャはジェノア(イタリア)で不安定なシーズンを終えたばかりだったが、バイエルン加入後は主力としてブンデスリーガ150試合以上に出場。2年前には契約を2018年まで延長した。バイエルンがこの投資について後悔したことはないはずだ。

ヨシュア・キミッヒ 推定移籍金:700万ユーロ(約9.4億円)

2015年当時、シュトゥットガルトを率いていたアレクサンダー・ツォルニガー監督は、キミッヒの放出を「致命的な失敗だった」とコメントしていた。そして、バイエルン移籍後のキミッヒはツォルニガー監督の言葉が間違っていなかったことを証明している。加入1年目からペップ・グアルディオラ監督に重用され、サイドバック、センターバック、中盤と様々なポジションで質の高いプレーを披露。バイエルンでもドイツ代表でもレギュラーに定着し、引退したフィリップ・ラームの穴を完璧に埋めてみせた。バイエルンがいくら払ったにせよ、移籍金は安かったと感じているに違いない。

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フアン・ベルナート 推定移籍金:790万ユーロ(約10.6億円)

2013年にグアルディオラ監督がバイエルンにやって来た時、変化したのはチームのプレースタイルだけではなかった。指揮官はそれまでクラブのスカウトが視野に入れていなかった選手たちにも目を向け、スペインでプレーするティアゴ・アルカンタラやベルナートの獲得を進言。バレンシアとの契約が残り1年を切っていたベルナートを格安で獲得することに成功した。ケガが多く、ドイツでは潜在能力のすべてを発揮し切れていないが、ダビド・アラバの代役を十分に務められる能力があることを示している。

セルジュ・ニャブリ 推定移籍金:800万ユーロ(約10.8億円)

バイエルンのサポーターは今季、ブレーメンから獲得した22歳の若手アタッカーの活躍を間近で見ることができない。ニャブリ自身がホッフェンハイムでの武者修行を志願したためだ。この期限付き移籍はこれまでのところ、バイエルンにとっての損失、ホッフェンハイムにとっての利益となっているが、来季にはホッフェンハイムでさらに経験を積んだニャブリをアリアンツ・アレーナで見ることができるだろう。

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サンドロ・ワーグナー 推定移籍金:1200万ユーロ(約16.2億円)

若き日のマッツ・フメルスを信頼していれば、バイエルンはドルトムントに移籍金を払う必要などなかった。同様にアカデミー出身のワーグナーについてもそれと同じことが起きたが、ドイツ代表としての地位を確立したストライカーの移籍金としては、かなりお買い得だったとも言われている。ワーグナーはユース時代に続いて2度目のバイエルン在籍ということもあり、背番号は「2」を選択。これはレバンドフスキのバックアッパーという意味でも適した番号と言える。加入から3試合目、古巣ホッフェンハイムとの一戦で早くも移籍後初ゴールをマーク。今後も移籍金に見合った価値を発揮してくれそうだ。

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ジェローム・ボアテング 推定移籍金:1300万ユーロ(約17.5億円)

ボアテングは2010年のマンチェスター・シティ移籍の際、渡英中の機内でサービスカートに膝をぶつけてケガを悪化させるというあり得ないような不運に見舞われた。その影響もあってイングランドでは不本意なシーズンを送ったが、2011年のバイエルン加入で新たなキャリアの扉が開かれた。サイドバックとして起用されていたハンブルガーSVやマンチェスター・シティ時代とは違い、バイエルンではパワーと身体能力の高さ、足元の技術を併せ持つ世界有数のセンターバックとしての地位を確立。現在までの活躍を思えば、当時の移籍金は格安だったと言える。

ニクラス・ズューレ 推定移籍金:2000万ユーロ(約27億円)

2017年1月にホッフェンハイムとの間でズューレの移籍が合意に達した際、ルンメニゲ社長は「公正で重要な契約」とコメントした。大柄ながらボール扱いに優れ、今季はここまで94%のパス成功率を記録。ブンデスリーガ15試合の出場でファウル数はわずか7回と好感が持てるプレーを披露している。ハインケス監督はズューレの獲得について、「バイエルンにとって素晴らしい買い物だった」と話した。8桁の移籍金は決して安かったとは言えないが、今季の活躍、そして今後さらに価値が高まる可能性を考えると、良い投資であったことは間違いない。

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