酒井は2016年11月、シーズン途中にハンブルクの主将に任命され、ブンデスリーガ初の日本人キャプテンとなった - © gettyimages / Stuart Franklin
酒井は2016年11月、シーズン途中にハンブルクの主将に任命され、ブンデスリーガ初の日本人キャプテンとなった - © gettyimages / Stuart Franklin
ブンデスリーガ

ハンブルク酒井「あの時計は歴代のキャプテンたちが引き継いできた」

酒井高徳がハンブルガーSVのキャプテンに就任し、1年が過ぎた。昨季、チームは最後の最後まで残留を争ったが、ウォルフスブルクとの最終節で競り勝ち、ブンデスリーガ創設以来、唯一降格したことのないクラブの伝統を守った。今季チームは連勝スタートを切るも、その後は8試合未勝利。11月に入ってからはホーム戦で2連勝を飾るなど状況は上向きになったが、現在も降格圏に沈んでいる。酒井に今季ここまでの戦いやキャプテンとしての思い、若手選手の台頭などについて聞いた。

ーー今季は開幕で連勝スタートを切りましたが、その後は8試合未勝利に陥りました。その原因は何でしょうか?

酒井 それを説明するのは難しいのですが、スタートが良かった分、その後の試合で少し気の緩みが出て、少しずつ下がって行ったのかなと思います。やっぱり、ブンデスリーガの一試合を戦い抜くには、常に100%ではないと試合に勝つことができないと僕たちは思い知りました。

ーーその後のシュトゥットガルト(第11節)、ホッフェンハイム(第13節)には 勝利しました。特に3ー1で勝利を収めたホッフェンハイム戦は今季最高の試合ではなかったでしょうか?

酒井 そうですね。(両試合とも)ホームでやっているのが一番大きいし、サポーターの皆さんの後押しもあって、力強いプレーができるのがアドバンテージになっていると思います。それ以外に何が良くなったかというと、チーム全体のコンパクトさだったり、アグレッシブさが増して、自分たちがやりたいことを同じ気持ちでやれている。チームが昨シーズンの良いプレーができていた時と同じ状態にまた戻ってこれたことが良くなったことの一番の要因だと思います。自分たちの形、例えばプレスを掛けるサッカーがコンセプトとしてチームにしっかり溶け込んでいるのが大きいかなと思います。

- © gettyimages / Martin Rose

ーーヤンフィーテ・アープ(17)と伊藤達哉(20)という若い戦力が加わり、前線に新しい風を吹き込んでいます。

酒井 そうですね。若い空気というのはチームに勢いをもたらしてくれるし、それは若い空気だけでなく、そのクオリティーを(両)選手がしっかり見せてくれていることが、僕たちを活気づけてくれると思います。彼ら2人が自信を持って試合に入ってやってくれるおかげで、チームとしても非常に良い結果で、チーム内の競争も上がって相乗効果になると思います。まだまだ若い部分もありますけど、昨シーズンに僕たちが残留を果たした時と同じように、皆が必要とされています。彼ら2人の活躍と自信もチームに大きなものをもたらすと思います。

ーー伊藤選手の成長についてはいかがでしょうか?

酒井 彼本人のモチベーションは高いですし、ポテンシャルも非常に高いです。彼の1対1の部分はチームの強みとなっていると思います。もちろん、まだまだ学ばなければいけないことはあります。こういった若い選手が出ると、どうしてもメディアが持ち上げてしまうところがありますが、ゆっくりと対応していきたいですね。彼がピッチ内外でリラックスしてプレーできることを僕が手助けしてあげることが一番だと思うし、そこから彼の得点や結果に絡むプレーを期待したいです。

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ーーザンクト・パウリの宮市亮選手を取材した際に、「酒井選手はハンブルクで一番のキャプテンだ」と言っていました。ハンブルクではこれまでフェリックス・マガトら多くの名選手がキャプテンを務めてきました。ブンデスリーガで最も歴史のあるクラブの一つでキャプテンを任せられていることについてはどう思いますか?

酒井 自分ではそうは思わないです。素晴らしい選手たち、実績も名前もある選手たちがキャプテンをやってきています。僕はその歴史の一部に過ぎない選手かなと思っていますが、ただ責任感はすごく感じるし、「このチームを強くしたい」「勝たせたい」という気持ちを持って常にプレーしています。時計を見ても分かるように、あの時計は歴代のキャプテンたちが引き継いできた印でもあるので、自分が止めないようにという気持ちでやっています。もう一つは、キャプテンになった最初の日本人として、そこは日本人の誇りとHSVの誇りをどちらもしっかり持ちながらプレーしています。

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