Summary

  • ハンブルガーSVが自動降格圏からの脱出に失敗
  • 最終節を残して自力残留の可能性が消滅
  • 降格回避の条件は最終節の勝利とウォルフスブルクの敗戦

ブンデスリーガ創設以来、唯一2部落ちを経験したことがないハンブルガーSVがクラブ史上最大の窮地に陥っている。降格圏脱出を懸けた第33節のアイントラハト・フランクフルト戦で0ー3の完敗を喫し、16位ウォルフスブルクとの勝ち点2差を詰めることができなかった。辛うじて首の皮一枚つながったが、ドイツの名門は最終節で逆転残留を果たすことができるのだろうか。

入れ替え戦進出の条件は勝利+ケルンの援護射撃

自動残留圏浮上の可能性が消えた今、ハンブルクは2014年、2015年と同様に16位に食い込んで昇降格プレーオフを勝ち抜く以外に生き延びる道はない。しかし、ハンブルクの得失点差が「-25」なのに対し、ウォルフスブルクは「-15」。ウォルフスブルクが勝ち点1を加えた瞬間にハンブルクの逆転の可能性は実質消滅する。つまり、プレーオフ進出の条件は「ハンブルクの勝利とウォルフスブルクの敗戦」だ。

両チームともに最終節をホームで迎えるが、ハンブルクの相手が欧州カップ戦出場の可能性を残しているメンヘングラートバッハ(ボルシアMG)であるのに対し、ウォルフスブルクの相手はすでに降格が決まっているケルン。加えて今季のケルンはアウェー成績がリーグワーストと、対戦相手に関してはウォルフスブルクに分がある。ハンブルクは最下位チームの“最後の意地”に望みを託すことになる。

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絶望的な状況でも最後まで諦めない

2連勝といい流れで第33節を迎えながら、フランクフルト戦では結果的に紙一重のジャッジが勝敗を大きく左右することになった。26分に伊藤達哉がゴールネットを揺らして先制したかに思われたが、オフサイドの判定でノーゴール。直後の31分に先制されて劣勢に立たされると、77分と90分にも失点し、降格圏脱出のチャンスを生かすことができなかった。

クリスティアン・ティッツ監督は試合後、次のようにコメントを絞り出した。「好機はあった。先に点を取るか、同点に追いつくかしていたら、試合の流れは全く別のものになっていたはずだ。だた、試合全体を通して見ればフランクフルトが勝つべくして勝った」

ドイツ唯一の伝統が途切れるかもしれないというクラブ始まって以来の危機に直面しながらも、ティッツ監督はチームに諦めムードがないことを強調する。「選手たちはプレーオフ出場への希望を捨てていない。決して諦めずに戦ってくれると確信している」。キャプテンの酒井高徳も「2点目を失うまでは内容も良かった。ウチの先制点が認められなかったことだけが残念。互角に戦えていたが、最後に集中力が切れてしまった。最終戦はそういうことがないように」と必死に仲間を鼓舞した。

これまで何度も崖っぷちから奇跡の生還を果たしてきた名門チームは、クラブ最大のピンチを切り抜けることができるのか。本拠地フォルクスパーク・シュターディオンの北西側スタンドにある「ブンデスリーガの在籍期間」を示す時計の針を止めるわけにはいかない。

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