Summary

  • 25日のルールダービーで新たなヒーローが誕生
  • 奇跡の同点劇の原動力となったシャルケのアミーヌ・アリ
  • 途中出場で流れを変え、ブンデスリーガ初ゴールも記録

“ルールダービー”の終了を告げるホイッスルが鳴った時、シャルケのアミーヌ・アリは歩くことさえままならない状態だった。「痛かったけどピッチに残ってチームを助けたかった。ナルドが同点弾を決めた時の気持ちは、何から話したらいいか分からないほどさ。まるで夢を見ているようだった」。試合終了後、本人はそうコメントしている。

11月25日に行われた宿敵ドルトムントとの大一番、シャルケはキックオフから25分間で4点のリードを許した。この時点では誰もがシャルケの大敗を予想したが、その予想に反してチームは後半に猛攻を見せる。後半だけで4点を奪って4ー4の引き分け。この奇跡の同点劇の中心にいたのがアリだ。

「このダービーは歴史に残る。誰も考えていなかった反撃だ。僕らが同点にできるとは誰も思っていなかった。4点のリードを奪われても応援を続けてくれたサポーターに感謝したい」

“誰も考えていなかった”ドラマは前半33分、ウェストン・マッケニーとフランコ・ディサントに代えてレオン・ゴレツカとアリがピッチに投入されたところから始まった。この二枚替えを機に、試合開始からほとんど見られなかったシャルケの攻撃に勢いがもたらされ、後半の反撃へとつながっていく。アリは65分にチーム2点目を挙げ、ブンデスリーガ初ゴールを記録。80分にゴンザロ・カストロの激しいタックルを受けて一度はピッチを出たものの、同点を目指すアリを止めることはできなかった。

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アリはふくらはぎのケガについて、「最後の10分間はつらかった。走れなかったけど、チームのためにプレーしなければならなかった」と語っている。アリのプレーはまさにチームのためのものだった。72分にドルトムントのピエールエメリック・オバメヤンが2枚目のイエローカードを受けて退場。アリがプレーを続行したことでシャルケは数的有利のアドバンテージを得たまま最後まで戦うことができた。

追い込まれたドルトムントに対し、文字どおりすべてを投げ打って攻撃を仕掛けたシャルケは、86分にダニエル・カリジュリのゴールでついに1点差。アディショナルタイムの4分にナルドが同点弾を叩き込んで奇跡が達成された。

シャルケのドメニコ・テデスコ監督は試合後、ケガを押して最後までプレーを続けたアリを絶賛した。「アリには脱帽だ。大きな違いを作ってくれた。アリとチーム全員を誇りに思う。全力を出してくれた」

アリのストッキングはカストロのタックルによって引き裂かれていたが、ルールダービーで戦士のごとくファイトしたアリにとって、このストッキングは素晴らしい記念品になるだろう。

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