10月4日、香川真司が所属するドルトムントバイエルン・ミュンヘンの「デア・クラシカー」が行われ、ホストクラブであるバイエルンが5−1の圧勝を飾った。

世界207カ国に中継されたこの試合では、元ドイツ代表GKイェンズ・レーマン氏が両チームの状況を細かく分析している。「デア・クラシカー」を録画された方は、以下に記す同氏の解説とともに今一度見返してみてはいかがだろうか。


1分:

「ドルトムントの試合の入り方は非常に興味深い。攻撃的な選手が4人しかおらず、またルカシュ・ピシュチェクを左サイドに配置している。トーマス・トゥヘル監督は、ドグラス・コスタに対し、ソクラティスのような屈強なDFをぶつけたいのだろう」

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4分:

「トゥヘル監督はチーム全体をもっと低くさせると予想していたが、ドルトムントのラインは非常に高く、良いプレスを仕掛けている。試合の鍵となるのはピエールエメリック・オバメヤンのポジションだろう。ドルトムントは彼にロングボールを送り、この時間にFKを得た。しかし問題は、彼のポジションがあまりに深すぎることだ。スピードに乗るための大きなスペースがない」

8分:

「バイエルンはドルトムントに対し多くのリスペクトを持っているようだ。(ボランチの)ユリアン・ワイグルには多くの時間とスペースがある。このようなシーンは、バイエルンのホームゲームではほとんど見られないことだ。だがジョゼップ・グアルディオラ監督もすでに手を打ち始めており、選手に前へ行くように指示している」

18分:

「グアルディオラ監督はプランを変更し、最終ラインを3バックにした。プレッシングを強め、ドルトムント全体の位置をもっと後ろにするためだ」

20分:

「トゥヘル監督はまだ動いていないが、グアルディオラ監督の戦術変更はドルトムントにとって厄介なものになっている。彼らはボールをクリアすることしかできていない」

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22分:

「ドルトムントは非常にコンパクトに保っており、それによりバイエルンは1列目と2列目のコンビネーションが難しくなっている。しかし、そろそろバイエルンの優位性が現れる頃だろう。なぜなら、ドルトムントはレバンドフスキに対しCB2人が付いている。バイエルンにとっては他のポジションで数的有利が生まれてくる」

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31分:

「ドルトムントは前線3人と中盤の間が空きすぎている。これではバイエルンに効果的なプレスを仕掛けられない」

39分:

「グアルディオラ監督はまたフォーメーションを変えたね。今は4−4−1−1だ。ドルトムントが中盤をコントロールしだしたことを見て、バイエルンはカウンター狙いに切り替えている」

45分:

「フィリップ・ラームのクオリティーを見てほしい。簡単にクリアせず、いつも最善の解決策を探している。バイエルンの攻撃はそのように成り立っている」

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46分:

「驚きを与えるロングボールがまたしても見られた。誰も予想していなかっただろう。ただし、ローマン・ビュルキのポジションも低すぎた」

48分:

「トゥヘル監督は守備面を修正してくるだろうね。勝つことは非常に難しくなったが、引き分けならまだ可能だ。しかしそのためには、中盤での人数を増やし、最終ラインを2人か3人でこなさなければならない」

50分:

「バイエルンの(後半開始直後の)ゴールは、本当はドルトムントがやりたかったことだろう。スペースにロングボールを入れ、オバメヤンを走らせるという風にね。しかしオバメヤンのスタートポジションはバイエルン陣内のかなり深いところだ。ロベルト・レバンドフスキとトーマス・ミュラーはこの戦術をパーフェクトにこなしてみせたね」

53分:

「バイエルンは今再び4バックに戻した。ドルトムントが前に出てきたり、もしくは3バックでこない限り、バイエルンは中盤で常に数的優位に立つことになる。ドルトムントにとってはボールを受けるのがとても難しくなる。もし試合後に何かを持ち帰りたいのであれば、トゥヘル監督は勇気を証明し、戦術を変更しなければならない。そうでなければ、もっと多くのゴールを許すことになる」

61分:

「ブンデスリーガのクラブはバイエルンに怖さすら抱くようになるだろう。彼らはビハインドを背負っていても、自分たちのストロングポイントに対する信念を絶対に失わない」

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66分:

「親方vs研修生、経験豊富な者vs経験がない者・・・ドルトムントはもう試合を諦めてしまったように見える。まさかまだ点が入るとは思っていなかった」

69分:

「イルカイ・ギュンドアンはまだ勇敢に戦っている。しかし何人かのドルトムントの選手はこの大舞台への準備ができていなかったのではないだろうか。ビュルキやワイグルのような選手にとって、きょうは貴重な経験を集める日となるだろう。マーコ・ロイスもトップレベルでプレーするため、チームで確固たるポジションを必要としている。しかしバイエルンは違う。彼らにはとてつもない経験値があり、試合を支配する野望を抱いている」

73分:

「ユルゲン・クロップ前監督は、いつもアリアンツ・アレーナで偉大な結果を残そうとしていた。トゥヘル監督にとっては挑戦の時だ。彼は、ドルトムントがバイエ ルンの競争相手であり続けるために、解決策を見つけなければならない。しかしきょうの試合で言えば、彼は大差をつけられて負けている」

85分:

「ドルトムントは良いスタートを見せ、途中にも良いパフォーマンスはあったが、ポジショニングミスがあまりにも多すぎた。序盤はサイドから攻めようとしていたが、今はもう密度が高い中央からしか攻めていない。これでは本当の解決にはならない」

90分:

「ドルトムントにとって、後半開始直後の失点は非常に痛かった。結局チームはそこから立ち直ることができなかった。前半はビハインドを背負っている状態でも良い場面を作っていたが・・・。ドルトムントは最後まで最終ラインをいじらなかったが、おそらくバイエルンのポゼッションサッカーに対する恐怖からだろう。彼らにとっては、教訓の多い日となったはずだ。選手は、まだ高いレベルに近づくためのチャンスを得たことだろう。バイエルンは個々の高いクオリティー、ポゼッション、戦術により、試合を支配していた」