Summary

  • ドルトムントが最後の1ピースを補強
  • バルセロナからアルカセルを期限付きで獲得
  • レバンドフスキ、オバメヤン、バチュアイに続く活躍を残せるか

香川真司が所属するドルトムントに、ピエールエメリック・オバメヤンやミシー・バチュアイの後を継ぐ男が現れた。その名はパコ・アルカセル。バルセロナ(スペイン)から1シーズンの期限付きで、これから自身初の国外リーグに挑む。

FWに最も求められるのは、ズバリ決定力。しかしアルカセルのそれは、すでに祖国で証明されている。現在25歳の同選手はスペインのトップリーグで151試合に出場し、43得点を記録。バルセロナ移籍後はあまり出番をもらえなかったものの、それ以前に在籍していたバレンシア(スペイン)では、公式戦124試合43ゴール17アシストと、大車輪の活躍だった。

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育成年代からスペイン代表で活躍

アルカセルの名は、ユース期からスペイン全土に響き渡っていた。2011年にはU19で、その翌年にはU20で欧州選手権優勝に貢献し、2010年にリヒテンシュタインで開催されたU17同大会では6ゴールを挙げ、得点王にも輝いている。そしてヘタフェ(スペイン)への期限付き移籍でプロの水に慣れた後バレンシアへ戻り、2014/15シーズンには同クラブを欧州チャンピオンズリーグ(CL)本戦へと導く活躍を残した。

2016年にフランスで開催された欧州選手権のスペイン代表メンバーには選出されなかったものの、時を同じくしてアルカセルはバレンシアからバルセロナへのステップアップを決断した。当時はエースFWリオネル・メッシに加え、ルイス・スアレス、さらにネイマールといった通称“MSN”の3トップが君臨していた時代。しかし同選手は、あえて厳しい道を歩むことを選択したのだ。

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そしてドルトムントへ

バルセロナ挑戦1年目はMSNの存在がありながらも、公式戦27試合でピッチに立ち8ゴール4アシストの結果を残した。しかしネイマールがパリ・サンジェルマン(フランス)へと旅立っていった2年目も、エルネスト・バルベルデ新監督の信頼を十分に受けることはできず、公式戦23試合出場7ゴール4アシスト。またフル出場がたった4試合にとどまったという事実は、アルカセルにとって移籍を考える最大のきっかけになったのかもしれない。

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アルカセルの身長は175cmと決して大柄な部類には入らず、そのプレースタイルも、かつてドルトムントでエースとして君臨したバチュアイやオバメヤンとはやや異なる。体の強さやスピードを活かすというよりは、研ぎ澄まされたゴール前での嗅覚、そしてシュートの正確性を武器に得点を量産してきたFWだ。加えて周囲を活かす術も身につけており、マーコ・ロイス、クリスチャン・プリシッチ、マキシミリアン・フィリップといった前線の仲間たちと、これまで以上に創造性あふれる攻撃を展開してくれるだろう。

アルカセルは、ファーブレ・サッカーというパズルにおける最後の1ピースとなりうる存在。エースナンバー9を背負い、ドイツ屈指の人気クラブを歓喜に沸かせる瞬間は、もう間もなくやってくるはずだ。