Summary

  • 公式戦6試合で5得点と好調を維持するロイス
  • ホッフェンハイムとの大一番では先制点をマーク
  • シーズン最終盤でドルトムントの切り札に

今季のドルトムントには、ウスマン・デンベレやクリスティアン・プリシッチら才能豊かな若手選手が台頭している。しかし、欧州チャンピオンズリーグ(CL)の本戦出場権を懸けたホッフェンハイムとの一戦でも見られたように、重要な局面で違いを生み出しているのはベテラン選手たちだ。3位奪還に成功した試合では、トーマス・トゥヘル監督の“切り札”マーコ・ロイスが存在感を示した。

度重なるケガから完全復活

ロイスは胸を張り、ドルトムントのサポーターが陣取るゴール裏に向かって「もっと歓声を!」と言わんばかりに手を耳に当てた。キックオフからわずか4分、電光石火の先制ゴールだった。ロイスは3週間前に戦列復帰を果たすと、公式戦6試合で5得点をマーク。しかも、そのうちの4得点はチームにリードをもたらす先制点である。

ドイツサッカー連盟カップ(DFB杯)準決勝のバイエルン・ミュンヘン戦でも試合の均衡を破るゴールを決めたが、改めて記録を見てみると、それが決して珍しいものではないことが分かる。ロイスがドルトムントで挙げた通算87得点のうち、実に3分の1以上が先制点なのだ。

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ロイスはホッフェンハイム戦で2点目を決めるチャンスもあったが、14分に得たPKの場面ではキッカーをピエールエメリック・オバメヤンに譲った。ロイスは試合終了後、PKを蹴らなかった理由を、「2人とも調子は良かったけど、オーバに得点王争いで優位に立ってもらいたいと思った」と説明している。

オバメヤンはそのPKを失敗。しかし、試合終盤に今季28点目となる決勝点を挙げて得点ランキング首位のロベルト・レバンドフスキ(バイエルン)に並んだ。それに対してロイスは、「ストライカーは正しい場所に正しいタイミングでいなければならない。それなりの運も必要だ。彼にはそれが備わっている」とチームメートを称えた。

チームリーダーとして欠かせない存在に

成長著しい多くの若手選手の中で、経験豊かな2人のベテランが最後に違いを見せる。特にロイスの場合は、シーズン序盤に恥骨炎で離脱し、復帰後に今度は左太もも裏の筋肉を痛めて長期離脱している。現在の活躍は度重なるケガを乗り越えてのものなのだ。

ホッフェンハイム戦はロイスにとって今季20試合目の公式戦だった。わずか20試合の出場で11ゴール8アシストを記録しているのだから、彼がいかに価値のある選手かが分かる。

しかもロイスの価値は驚異的な得点力だけではない。キャプテンのマーセル・シュメルツァーは「ピッチ上の本物のリーダー」と称賛しているし、トゥヘル監督も「彼は周りにいるすべての選手をより素晴らしい選手にする」と、独特な言い方でロイスを称賛している。

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ピッチの上でも外でも、ベテランとしての振る舞いが多くなった。ピッチ上ではチームメートを励まし、助け、指示を出す。そして、ピッチの外ではチームの顔として活躍している。トリッキーなプレーとスピードが持ち味のテクニシャンでありながら、最近はタックルすることもいとわない(ホッフェンハイム戦では対人勝率64%を記録)。試合後には「誰も勇気を失わずに戦った」とチームメートを称えることも忘れない。

シーズン終了まで残り2試合。ロイスはCLの本戦出場権を他のどのチームにも譲るつもりはない。「あと勝ち点4で3位が確定する。それこそが僕らの欲しいものだ」。リーグ戦終了後には、アイントラハト・フランクフルトとのDFB杯決勝も待っている。DFB杯を制することができれば、ロイスにとってはドルトムント加入5年目で初のタイトルとなる。それを手繰り寄せるべく、これからもロイスは重要な先制点を挙げていくだろう。